「葛西臨海水族園」の建築は訪れた人を自然界に引き込む

01.現代建築
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1989年の開園以来、累計で5500万人以上が来園(2020年5月現在)した「葛西臨海水族園」は、600種を超える世界中の海の魚類が展示された、人気の水族園です。

東京湾岸地区の整備事業の一環として、上野動物園開園100周年を記念して計画され、1985年に着工し、1989年に竣工しました。
設計はGINZA SIXなどを設計している谷口吉生氏です。

水族園のテーマは海と人の交流の場。そのテーマの通り、海の生き物と交流出来る場となります。

今回はそんな葛西臨海水族園を紹介します。

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海の景色を大事にした建物

葛西臨海水族園に訪れると、まず最初に目に付くのがガラスドームです。

ガラスドームの高さは地上30.7m(入口の高さからは21m)。ガラスドームの真下はエントランスホールです。
このガラスドームは、葛西臨海水族園のシンボルマークとなっています。

海とつながる景観を作り出すため、ガラスドームの正面部分以外を池で覆い、定期的な人工波を出しています。
建物の屋上から入るような導線としており、水族園に入る前に海の景色がよく見えるようにしています。
池の向こうには白い帆が張られており、まるで海に浮かぶ船のような演出をしています。

実際には白い帆はこのようにテントデッキとして設置されています。近くにレストランテラスもあり、まさに海のレストランといった感じです。

ガラスドームを見上げた光景です。
水族園自体の建築面積が広いため、ドームを外から見ると大きさを感じませんが、実際にドーム内部に入ると開放感があります。

建築模型で見ると、水族園の大きさがよく分かります。
地上から見える建築はガラスドームの部分だけであり、海の景色を大事にしているのが分かります。

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自然環境に入り込める展示

続いては内部の展示空間です。自然環境を出来るだけ再現させて、それぞれの生物にとって最適な環境を作り出しています。

こちらは「世界の海」のコーナー。館内を真っ暗にし、展示水槽にスポットライトを当てることで、鑑賞に集中するような作りになっています。

こちらは世界初の、クロマグロが群泳する「アクアシアター」です。ドーナツ型のアクリル製の大水槽に、2,200トンもの水が入っています。

中央部が鑑賞エリア、360度ガラス張りとなり、多数のクロマグロが高速で泳ぐ姿は大迫力です。

こちらは「渚の生物」のコーナー。海の岩場をリアルに再現し、岩場に住む生物が飼育されています。

こちらは「ぺんぎんの生態」のコーナー。ペンギンの生息環境に近い岩場を再現した、世界最大級のペンギン展示場となります。
遠くの方まで岩場が見えるので、かなりの面積があるのではないかと思います。

こちらは「海藻の林」のコーナー。海藻がゆったりと優雅に動く姿を落ち着いて鑑賞出来ます。

こちらは「東京の海」のコーナー。水槽の上にある上部通路はキャットウォークといい、水槽上部の作業風景の様子が見学出来ます。
水槽展示の向かい側には、子供が喜ぶ体験型の展示が設置されています。

こちらは「海鳥の生態」のコーナー。水面の上と下が両方とも鑑賞出来る作りとなっており、生物が海の飛び込む姿、海から出てくる姿が間近で見られます。

葛西臨海水族園は親子連れが多く、子供が喜びそうな展示が多数あります。
また、大人でも楽しめる所となっているので、ここまで人気が出るのも納得です。

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画像で見る水族園の生物

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建築概要

設計谷口吉生
階数地上3階
構造鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造
建築面積11,129㎡
延床面積14,772㎡
工期1985年~1989年
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ご利用案内・アクセス

開園時間9:30~17:00(入場券販売は16:00)
休園日水曜日(祝日の場合は翌日休園)
年末年始(12月29日~1月1日)
入園料一般   : 700円(560円)
65歳以上 : 350円(280円)
中学生  : 250円(200円)
小学生以下: 無料
※()内は団体料金(20名以上)
無料公開日みどりの日(5月4日)
都民の日(10月1日)
開園記念日(10月10日)
老人週間(9月15日~21日)は60歳以上が無料
こどもの日(5月5日)は中学生以下が無料
電話03-3869-5152
住所江戸川区臨海町6-2-3
アクセスJR京葉線 葛西臨海公園駅 徒歩5分
その他、多数バスが出ています。詳細は公式サイトを参照下さい。

※2020年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトでご確認下さい。


参考元:

葛西臨海水族園公式サイト – 東京ズーネット
【世界建築巡り】世界の素敵な建築を紹介するサイト
Wikipedia

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