山下智久氏、新垣結衣氏が主演を務める連続ドラマ「コード・ブルー」は、3rd season まで作られる程の人気ドラマとなりました。
事故や災害にて、負傷者や容態が急変した患者の元へ救命に向かい、緊迫した現場の中で、フライトドクター達の奮闘と葛藤を描いたドラマであり、視聴者側へも緊迫した雰囲気が伝わってきます。
今回は、コード・ブルーに出てくる病院の、ヘリポートをはじめとする施設などを紹介します。
ドクターヘリのある病院は全国にどのくらい?
2001年4月1日に、川崎医科大学附属病院で岡山県ドクターヘリ事業が開始され、2001年10月1日に、日本医科大学千葉北総病院にて、千葉県ドクターヘリ事業が開始されました。それ以降は全国に広まり、2017年3月時点では、41道府県に51機のドクターヘリが配備されています。
引用:ヘムネット HEM-Net | c 2008 HEM-Net.
※機数が記載されていない青い県は1機。
ドクターヘリがここまで普及するのは、救急車よりも、患者の元へより緊急で駆けつける事ができ、より早急に病院に運ぶ事が出来るからだと思います。
理想的には80機くらいが望ましいとのことで、将来的にはドクターヘリ配備が増えていくのではないかと思います。
コード・ブルーのロケに使われた病院は?
引用:日本医科大学 千葉北総病院 © 学校法人日本医科大学
ドラマの撮影に使われた病院が、この「日本医科大学千葉北総病院」となります。
googleマップで病院を上空から見ていただくと、建物の南西にヘリポートがあり、そこから病院内の救命救急センターへと通路が伸びています。ヘリで運ばれてきた患者は、ヘリポートにて即座に担架に乗せ、この青い通路を通って救命救急センターへと運ばれて行きます。ドラマでも、そんなシーンがよく登場しますね。
ただ上空から見た時に、ヘリポートから病院までけっこう距離があるなと思いました。
急を要するため、もっと病院の近くにするべきではと思ったのですが、建物が近くにあると、ヘリのプロペラから発生する気流が建物に跳ね返り、気流が不安定になってヘリの安定着陸が出来ないのではないか。と、ヘリのことを調べているうちに気付くようになりました。と言いつつも、これは私の憶測に過ぎませんが。。
ちなみに、病院ヘリポートの識別標識は、ICAO(イカオ=国際民間航空機関)にて基準が定められているのですが、それによると”「白十字に赤色のH文字で構成」”と指定されています。
これは病院ヘリポートと、通常のヘリポートとの区別を、パイロットが一刻でも早く識別するためです。
上空写真ではヘリポートの標識は基準とは違いますが、現在は基準に則った標識に変更されているようです。
引用:「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 2nd season」のロケ地「日本医科大学千葉北総病院」の空撮! 東京・大阪 都心上空ヘリコプター遊覧飛行
また、ヘリポートには、コンクリートやアルミデッキなどの種類があります。
引用:ドクターヘリのヘリポート建設|空のプロがドクターヘリのヘリポート設計・施工までトータルプロデュース【AERO FACILITY】 © 1999-2010 AERO FACILITY.
コンクリートデッキだと度重なるヘリの着地によって負担がかかり、クラック(ひび割れ)が発生して防水層が剥がれてしまう危険性があります。毎日のように床面チェックをしなければならず、メンテナンスを怠ると事故につながってしまいます。
対してアルミデッキですと、強靭な素材であり弾力性があるので、ヘリの着地による荷重をうまく吸収します。そしてコンクリートのようにクラックなどの障害が起こりません。メンテナンスは劣化による資材の交換のみとなり、コンクリートに比べて初期コストはかかりますが、維持費はかなり軽減されます。
千葉北総病院のヘリポートは、どんな素材で作られているかは公開されていませんが、頻繁にヘリが離着陸することから、それなりの強度を持ったヘリポートになっているかと思います。
全国的に見ますと、病院ヘリポートはアルミデッキが主流となっているようです。
医療福祉建築賞を受賞
1995年に、千葉北総病院は医療福祉建築賞を受賞しました。
引用:日本医科大学 千葉北総病院 © 学校法人日本医科大学
1床あたり97㎡もの面積を確保し、幅6m、長さ150mのホスピタルストリートにより、各部門のつながりを密にしてお互いの情報展開を可能にし、また患者のアメニティの向上に少なからず寄与している点が、評価されています。
総合病院では、入院患者が不便なく生活できるよう施設・サービスが充実してたりしますが、この千葉北総病院はとくに、売店や理髪店、クリーニングやコインランドリー、さらには書店を置くなど、サービスが充実しています。
ドラマで建物に着目している人はあまりいないかと思いますが、ドクターの技術や立回りはもちろんのこと、病院を設計した人達、またヘリポートを作った人達によっても、患者の命を救う事につながっています。
建築概要
設計 | 千代田設計 |
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施工 | 清水建設・大林組・大成建設共同企業体 |
敷地面積 | 105,127.66㎡ |
建築面積 | 16,784.70㎡ |
延床面積 | 58,553.80㎡ |
階数 | 地上7階、地下1階 |
竣工 | 1993年11月 |
開院 | 1994年1月 |
診療科目 | 15科 |
病床数 | 600床 |
アクセス
住所 | 千葉県印旛郡印旛村鎌苅1715 |
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アクセス | 京成成田空港線 院旛日本医大駅 徒歩13分 |
参考元:
・コード・ブルー – フジテレビ
・ヘムネット HEM-Net
・日本医科大学 千葉北総病院
・日本医科大学千葉北総病院 納入事例 搬送システム S&Sエンジニアリング
・コード・ブルー3 ロケ地ガイド
・JIHa
・「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 2nd season」のロケ地「日本医科大学千葉北総病院」の空撮! 東京・大阪 都心上空ヘリコプター遊覧飛行
・ヘリポート事業 – エアロファシリティー株式会社