小田原市内の高台に位置する観光名所「小田原城」は、15世紀の中頃に建てられました。
この城は北条氏の居城というイメージがありますが、元々は大森氏が築いたそうです。
北条氏の居城になったのは1500年頃であり、小田原城を拠点に関東一帯を支配していきました。
実はこの城、明治3年(1870年)に廃城となっており、その後は城内の建物がほとんど解体され、更には大正12年(1923年)の関東大震災で石垣がほぼ全壊し、当時の姿が失われてしまいました。
ですが、昭和に入ってから平成にかけて、総工費8億円をかけて再建され、現在の姿となっています。
今回はそんな小田原市のシンボル、小田原城の観光をもっと楽しめるよう、建築的な視点で見どころを紹介していきます。
難攻不落で有名な城
小田原城は高台に築城され、天守閣に至るまでにいくつもの門構えもあり、上杉謙信や武田信玄からの名だたる戦国大名から攻められるも、それを退けるほどであったため、難攻不落な城と言われてきました。
小田原駅方面から歩いてくると、外堀を挟んで二の丸の隅櫓(すみやぐら)が見えてきます。
広い外堀と立派な石垣、そして隅櫓と白い土塀が城を敵から守ります。
小田原城の案内図にある地図です。赤い線で示されていますが、馬出門(うまだしもん)、銅門(あかがねもん)、常盤木門(ときわぎもん)の各所を通って、天守閣へ行くコースとなっており、最も小田原城の建築を楽しめるコースです。
第一関門 馬出門
まず最初に現れるのはこの馬出門(うまだしもん)。
この先に馬屋曲輪(うまやくるわ)という広場があり、そこに通ずることから門の名が付けられたそうです。
小田原城へは最初にこの門から入場するのですが、門の両横の壁に三角形や長方形の穴があります。
敵が攻めて来たときは、二の丸を守るためにこの穴から鉄砲や弓で応戦していたわけですね。敵にとっては第一の関門となります。
馬出門を入ると、左手直角に内冠木門(うちかぶきもん)があり、二つの門の間は土塀で枡形に囲まれています。導線が直角になるので、敵にとっては厄介な構造になっています。
第二関門 銅門
続いては、銅門(あかがねもん)。
こちらの門をくぐる手前の空間も、馬出門がある土塀と同様、枡形に囲まれています。
こちらも導線が直角になっており、敵が攻めにくい構造となっています。
銅門はその名の通り、銅板の装飾が施されています。この装飾によって厳格な見た目になっているように見えます。
また、門内を見上げると見える梁も立派なので、かなり頑丈な門であることがうかがえます。
銅門の先には、このような土塀の模型が設置されています。
この壁は、銅門の建設を行う際に、竹や土などの材料の収縮や乾き具合を確認するために、事前に製作された模型です。
竹を格子状に組んで土壁で固めているところが、現代建築で言う鉄筋コンクリートと工法がよく似てますね。
第三関門 常盤木門
続いては、常盤木門(ときわぎもん)。ここを通過するといよいよ本丸です。
この門も、馬出門や銅門と同じく、土塀を枡形に作っています。
やはりここも導線が直角になっています。本丸に行くまで、一体何度、直角に曲がることになるのでしょう。
それに加えて本丸の正門であるため、門にふんだんに鉄板が張られ、他の門に比べて大きく頑丈に作られているため、攻めて来た敵も戦意喪失してしまいそうです。
本丸手前の常盤木門まででも十分、攻め込みにくい城だということが分かります。本丸編では本丸、天守閣を紹介していますので、よろしければこちらもどうぞ。
ご利用案内・アクセス
入場料
天守閣 単独券 | 一般 :500円(400円) 小・中学生:200円(160円) |
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常盤木門 単独券 | 一般 :200円(160円) 小・中学生:60円(40円) |
小田原城歴史見聞館 単独券 | 一般 :300円(240円) 小・中学生:100円(80円) |
天守閣・常盤木門 2館共通券 | 一般 :600円(480円) 小・中学生:220円(170円) |
天守閣・常盤木門 ・小田原城歴史見聞館 3館共通券 | 一般 :700円(560円) 小・中学生:250円(180円) |
※2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトでご確認下さい。
アクセス
住所 | 神奈川県小田原市城内 |
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アクセス | JR線・小田急線 小田原駅 徒歩10分 |
参考元:
・【公式】小田原城 難攻不落の城
・小田原城に行くなら今!平成の大改修で美しく生まれかわった天守閣は必見
・小田原城を巡る – あの町この街あるこうよ