「本覚寺の森 観音霊園・観音堂」は新しい墓地を作り出した建築

01.現代建築

横浜市鶴見区の本覚寺にある「本覚寺の森 観音霊園・観音堂」は、他の墓地とは違った、公園のような新しい形の霊園となっています。

本覚寺の住職が、地元の西日本工業大学神奈川大学に向けて、寺院のあるべき姿を一緒に構想してほしいという呼びかけから寺院の拡張計画プロジェクトが始まり、2018年(平成30年)1月に本覚寺の境内に開設されました。

傾斜のある敷地を活かした面や、周辺の地域に開いた面などが認められ、第63回(令和元年度)神奈川建築コンクールでは優秀賞を受賞しています。

今回はそんな本覚寺の森 観音霊園・観音堂の建築を紹介します。

本覚寺

本覚寺外観

観音霊園・観音堂の前に、まず本覚寺を紹介します。

本覚寺は、1683年(天和3年)に獅子ヶ谷村(現在の横浜市鶴見区)の名主である横溝五郎兵衛によって開かれました。1945年(昭和20年)5月29日の横浜大空襲で被災しましたが、1988年(昭和63年)5月29日に再建されています。

本覚寺外観

入母屋造りの瓦葺きの立派な屋根となっており、堂々たる形で佇んでいます。

本覚寺外観の梁
本覚寺外観の花頭窓

柱や梁の装飾、花頭窓(かとうまど)などもまた見どころです。

観音霊園

本覚寺の森 観音霊園マップ

本覚寺の森は、三角屋根をもつ観音堂を中心に、公園の丘のような観音霊園が広がります。

ランドスケープの修復親しみのある生活景観をコンセプトに計画され、敷地は手前がなだらかな斜面ですが、奥が急斜面となっているため、周囲との連続性がなかったそうです。このプロジェクトでは、なだらかな斜面と急斜面の2つのエリアに分けて庭園計画がなされました。

本覚寺の森 観音霊園

こちらは、なだらかな斜面のエリア。住宅地に隣接しており、庭のような空間となるように芝生や樹木を植栽し、近隣住民に親しまれる景観を作り出しています。

桜の木のもとに埋葬する桜の墓。お参りする方がいる間に壁型のお墓を貸りられる道の墓。先祖代々に受け継がれる従来型の里の墓。といった、様々な形のお墓が配置されています。

本覚寺の森 観音霊園の花壇

こちらは、桜の墓の前にある花壇。桜の木や芝生を背景に花が供えられ、明るく華やかなお墓になっています。

本覚寺の森 観音霊園の森の墓

こちらは、急斜面のエリア。墓石を建てずに土の中に埋葬されたお墓の周りに樹木が植えられ、日当たりの良い場所に自然の景観を作り出した、森の墓となります。

このエリアからの眺めはとても良く、周りは自然が豊富なので、公園に来たような感覚で気持ちよくお参りが出来る霊園となっています。

観音堂

本覚寺の森 観音堂の外観

観音堂は、敷地の地形に沿った三角形の大屋根が特徴の建物です。

急斜面の問題を解消させるため、三角屋根の観音堂を、なだらかな斜面と急斜面の境目に配置させて半地下とし、観音堂の周りに墓地を配置させています。

観音堂内部は、入口と後ろ側の天井に開口部があるため、風が建物内を通り抜ける良質な環境となっています。

引用:ヒットデザイン建築設計事務所|hit design architect | © hitdesgin architect
本覚寺の森 観音堂の外観

軒下には水屋があり、日陰になるよう設置されています。

本覚寺の森 観音堂の屋根裏

屋根の裏側はこのように木材が組まれており、観音堂内部と水屋を暖かく包み込みます。

本覚寺の森 観音堂外観

本覚寺の森 観音霊園・観音堂は、地域に親しまれることを願って作られており、墓地のいろんな場所にゆっくり出来る場所を点在させ、自然風景に癒やされながらお参り出来るような場所となっています。

建築概要

設計西日本工業大学、神奈川大学、マチデザイン、長谷川明建築設計事務所
敷地面積945㎡
延床面積70.73㎡
階数地上1階
構造鉄筋コンクリート造、木造
工期2017年

アクセス

電話045-575-7855
住所神奈川県横浜市鶴見区獅子ヶ谷2-6-32
アクセス<電車>
 東急東横線・JR横浜線 菊名駅 徒歩27分
<バス>
 鶴見駅から臨港バス(新横浜駅・駒岡車庫・綱島駅・新川崎交通広場 行) 獅子ヶ谷 下車徒歩5分
 綱島駅から臨港バス(鶴見駅西口 行) 獅子ヶ谷 下車徒歩5分


参考元:

ホーム | 真如山成就院本覺寺公式サイト
ヒットデザイン建築設計事務所
第63回 神奈川建築コンクールで優秀賞を受賞 |西日本工業大学

タイトルとURLをコピーしました