京都の主要な観光地のひとつ「銀閣寺」は、京都の主要な観光スポットなっていますが、建物が銀色になっているというわけではなく、金閣寺とは対照的に地味なイメージが付いています。
銀閣寺は、1482年より室町幕府八代将軍である足利義政により創建されており、正式名称を『慈照寺』(じしょうじ)と言います。
しかしながら、お寺の完成を見ずに足利義政は死去してしまいました・・・。
銀閣寺という名前が付いたのは、とくに銀色だからという理由ではなく
建築様式が似ている金閣寺と対比されて呼ばれるようになった説。
壁が黒漆塗りであり、光が当たると銀色に見えるからという説。
当時の財政が厳しく、銀箔が貼れなかった説。など様々な説が考えられています。
しかし、この銀閣寺にも魅力的な点があります。
義政は、庭師、絵師、能楽者等を召し抱え、書画や茶の湯に親しむ生活をしてきたため、侘び寂びの東山文化が造られ、魅力的なお寺となりました。1994年には世界文化遺産にも登録されています。
これから6つの見どころを紹介しますので、このポイントをおさえて是非とも銀閣寺を楽しんでいただければと思います。
一階と二階で全く違う建築様式
1489年に創建した銀閣は、正式には「観音殿」といい、観音菩薩坐像が安置されています。
観音殿に出会った瞬間は、これが銀閣寺!?と疑ってしまうほど、見た目にインパクトはなく素朴な感じとなっています。
金閣寺では、1階が寝殿造り、2階が書院造り、3階が禅宗様と、階層ごとに建築様式を変えていましたが、銀閣寺についても階層ごとに様式を変えています。
銀閣寺では、2層のうち、1階が書院造りで住宅となっている「心空殿」、2階は禅宗様で観音菩薩を安置する仏堂となっている「潮音閣(ちょうおんかく)」です。
引用:銀閣寺(慈照寺) on2012-9-5 : 散策とグルメの記録 © 1997-2017 Excite Japan Co.
1階の心空殿には、庭園を一望出来る板の間や八畳の仏間があるとか。
2階の潮音閣には、観音菩薩を安置しており、壁には桟唐戸や花頭窓が付いています。創建当初、内外は黒漆塗りでした。
下層が書院造りで、上層が禅宗様となっている様式が金閣と似ているため、江戸時代には金閣に対して銀閣と呼ばれるようになったとの事です。
屋根は宝形造りで、薄板を用いた柿(こけら)葺きが施され、屋頂には銅製の鳳凰が立っています。この点も金閣と似ていますね。
銀閣寺と呼ばれる由来は、建築様式が似ている金閣寺と対比されて呼ばれるようになった説。が最も有力ですね。
義政の祖父である足利義満が建てた金閣は、華やかな北山文化の建物であるのに対し、銀閣は詫び寂びを重んじる、東山文化の落ち着いたたたずまいを見せています。
向月台、銀沙灘とマッチした風景
引用:銀閣寺(慈照寺) on2012-9-5 : 散策とグルメの記録 © 1997-2017 Excite Japan Co.
画像の奥に見える円錐台形の砂盛り造形は、向月台(こうげつだい)といわれ、東山に昇る月を見るために江戸時代に造られたと推定されています。高さは約1.65m。
向月台の手前に見える波紋を付けた砂地は、銀沙灘(ぎんしゃだん)といわれ、月光を反射させて銀閣を照らすための模様といわれています。
自分が訪れたときは、ちょうど修復工事中でした・・・。ある意味、貴重ですけどね。
花頭窓から見える絵画のような風景
銀沙灘の近くに本堂があるのですが、その手前にある唐門の花頭窓から見える銀沙灘は、まるで絵画のようです。
うまく撮影出来れば、インスタ映えすること間違いなしです。
侘び寂びの原点である東求堂
銀閣寺には、観音殿(銀閣)の他に、東求堂という重要な建物があります。
ここは日本最古の書院造りがあり、国宝に指定されております。
東山文化の特徴である「侘び・寂び」の原点になっています。
侘び・寂びとは、質素で静かなものであり、その中にある趣や美しさを意味しています。
引用:koharu-home.jp
東求堂の間取りは、北東に同仁斎(どうじんさい)という四畳半の部屋があります。
この部屋はかつて足利義政の書斎だったのですが、茶の湯の道具を置いておく違い棚や、障子からの光で読み書きをするための付け書院があり、義政が自ら茶を立ててお客様をもてなすための場です。
日本最古の書院造りである同仁斎は茶室の原点ともなり、後に作られる茶室に取り入れられる事となります。
引用:koharu-home.jp
日の当たりにくい北東に位置する質素な部屋にお客様を招く、「侘び・寂び」を重んじたならではの部屋であると思います。
外観についても、入口は桟唐戸、他は舞良戸で作られており、屋根は入母屋造りの桧皮葺(ひわだぶき)で、素朴な意匠となっています。
銀閣寺全体を見渡せる展望台
銀閣寺には、観音殿(銀閣)や東求堂、銀沙灘が一度に見渡せて、またその後ろに京都の街の風景が見える展望台があります。
銀閣は森に囲まれた中で落ち着き、静かにたたずんでいます。金閣寺のような派手さは無いですが、素朴な美しさを感じます。
銀閣裏山の美しい庭園
銀閣寺の裏山に、足利義政によって作られた苔のむす庭園や、池泉が作られています。
義政は茶道、華道、建築、絵画、芸能などの日本の文化を重んじただけあって、美しい庭園となっています。
足利義政が修行に行っていた西芳寺の庭園を、母に見せたいという想いから、苔のむす西芳寺の庭園を元に作られたそうです。
銀閣の隣には錦鏡池(きんしょうち)が配されており、国の特別史跡・特別名勝に指定されています。
池泉回遊式庭園と呼ばれており、錦鏡池を中心に、周囲を樹木や橋などを作られています。
素朴に作られたこの池泉には趣を感じます。
銀閣寺は、金閣寺と共に皆に愛された京都の立派な観光地であり、日本の宝であると思っています。
金閣寺についても記事にしていますので、こちらも是非合わせてご覧下さい。
ご利用案内・アクセス
参拝時間 | 夏季(3/1~11/30):8:30~17:00 冬季(12/1~2/末日):9:00~16:30 ※年中無休 ※特別拝観時は時間が異なることもありますのでご注意ください。 |
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参拝料金 | 大人・高校生:500円 小・中学生 :300円 ※団体扱いはありません ※特別拝観時は料金が異なることもありますのでご注意ください。 |
電話 | 075-771-5725 |
住所 | 京都府京都市左京区銀閣寺町2 |
アクセス | 京阪電車 出町柳駅 下車後 市バス 銀閣寺道 下車 徒歩10分 市バス 銀閣寺前 下車 徒歩5分 |
※2018年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトでご確認下さい。
参考元:
・銀閣寺 | 臨済宗相国寺派
・京都府ホームページ
・銀閣寺の見どころ | 京都ecoトリップ
・enjoy Korea
・閑古鳥旅行社 - 慈照寺銀閣、慈照寺東求堂
・銀閣寺(慈照寺) on2012-9-5 : 散策とグルメの記録