川崎市の歴史を学ぶなら「東海道かわさき宿交流館」

03.歴史的建築
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川崎市の旧東海道沿いには「東海道かわさき宿交流館」という、東海道五十三次のひとつである川崎宿の歴史資料館があり、楽しく学べる施設となっています。

東海道は1601年に徳川家康によって整備された五街道のひとつであいり、東京の日本橋から始まって京都の三条大橋までの道のりに、53の宿場町がありました。川崎宿はそのうちのひとつとして栄え、現在のような賑わいを見せる町並みとなりました。

東海道かわさき宿交流館フロアマップ

2013年10月に開館したこの施設は、1~3階は展示室、駐車場などが入り、4階は集会室、多目的スペースなどが入っています。1~3階は展示室はとくに気軽に無料で入ることが出来ます。

今回はそんな東海道かわさき宿交流館の建築、そして展示内容を紹介します。

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外観

東海道かわさき宿交流館のファサード

外観は2階部分は黒壁を下地に縦格子の木組が付けられ、3階部分は開口部のみ縦格子があり他は白壁を縦線の意匠に施しており、2階と3階で変化を持たせつつも統一性があります。周囲は現代的な建築が並ぶ中、交流館だけは江戸時代のような様相で建っています。

1階部分は瓦屋根の庇を付けており、緑色ののれんが設置されて、江戸時代の商家のような外観です。

東海道かわさき宿交流館入口

1階の庇の裏は板張りとなっており、入口の両側は木のルーバーが設置されて暖かみがあります。自動ドアも木製であれば完璧でした。w

道路側に対してオープンな感じなので視認性があり、ためらいなく入れます。

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1F展示室

東海道かわさき宿交流館の1F展示室の万年屋

入口から入ると早速、和室の展示が見えます。これは万年屋といい、川崎宿にあった有名な茶屋となります。壁に描かれている絵は、江戸時代の書籍「江戸名所図絵」に描かれていた万年屋の様子を表しています。棚にはお酒の瓶などが置かれており、当時の茶屋の姿を再現しています。

東海道かわさき宿交流館の1F展示室の六助

こちらは、交流館のイメージキャラクターである飛脚の六助、通称「六さん」。六さんの名前は六郷川(多摩川の下流の名称)にちなんで名付けられているそうです。1階展示室では川崎宿の解説動画が流れており、六さんが分かりやすく説明しています。

東海道かわさき宿交流館の1F展示室の休憩・交流スペース
東海道かわさき宿交流館の1F展示室のモザイク画

1階の奥に入ると休憩・交流スペースがあり、そこには歌川広重の浮世絵をモザイク画で作られた大きな絵が飾られています。

東海道かわさき宿交流館の1Fから2Fへの階段

階段には、歌川広重による東海道五十三次の浮世絵が貼られており、東京の日本橋から始まって、上にいくにしたがって、京都の三条大橋まで続いています。

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2F展示室

東海道かわさき宿交流館の2F展示室

2階展示室に入ると、床には江戸時代の川崎宿の様子が描かれた絵地図があり、町並みを歩く感覚で楽しめられます。床の絵地図の両側に置かれているのは、ものがたりBOXであり、川崎宿の物語を資料や映像などで紹介されています。

東海道かわさき宿交流館の2F展示室の東海道五十三次の浮世絵

こちらは東海道五十三次の浮世絵がずらーっと並べられています。東京の日本橋から、京都の三条大橋にいたるまで、それぞれの宿場町の浮世絵があります。

ちなみに、53の宿場町は以下です。

品川⇒川崎⇒神奈川⇒保土ケ谷⇒戸塚⇒藤沢⇒平塚⇒大磯⇒小田原⇒箱根⇒三島⇒沼津⇒原⇒吉原⇒蒲原⇒由比⇒興津⇒江尻⇒府中⇒丸子⇒岡部⇒藤枝⇒島田⇒金谷⇒日坂⇒掛川⇒袋井⇒見附⇒浜松⇒舞坂⇒新居⇒白須賀⇒二川⇒吉田⇒御油⇒赤坂⇒藤川⇒岡崎⇒池鯉鮒⇒鳴海⇒宮⇒桑名⇒四日市⇒石薬師⇒庄野⇒亀山⇒関⇒坂下⇒土山⇒水口⇒石部⇒草津⇒大津

今なら新幹線で数時間ほどで東京~京都間を移動出来ますが、当時はこれらの町に泊まりながら数日かけて移動していました。

東海道かわさき宿交流館の2F展示室の旅道具

こちらは、東海道を渡り歩くのに用いられた旅道具。

東海道かわさき宿交流館の2F展示室の川崎宿模型
東海道かわさき宿交流館の2F展示室の川崎宿模型

こちらは、川崎宿の模型。地形は1/900ですが、建物は1/400のスケールでつくられています。 建物を地形より大なスケールで作ることで、江戸時代当時の町並みが感じられるようになっています。1806年に作られた「東海道分間延絵図」を参考に、様々な資料を駆使して再現された模型となります。

情緒溢れる江戸の町並みが想像出来る、そんな展示室となっています。

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3F展示室

東海道かわさき宿交流館の3F展示室の川崎分解劇場

3階展示室は、主にパネルによって資料展示されていました。こちらは川崎分解劇場という展示で、中央のガラスには、道路や河川、鉄道などが描かれ、これらを重ねると川崎市の全体像が見られるようになっています。

東海道かわさき宿交流館の3F展示室の人物パネル展示

こちらは川崎市にゆかりのある人物のパネル展示。「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」などでおなじみの坂本九氏や、「太陽の塔」などの作品を残した岡本太郎氏などの著名人がパネルで紹介されています。

東海道かわさき宿交流館の3F展示室の地図画面

こちらは移り変わる川崎の姿。市内全域の航空写真を画面に表示しています。画面の地図に触れると、触れた部分が虫眼鏡のように拡大され、さらに虫眼鏡を何度か触れると、触れるたびに時代をさかのぼるように昔の航空写真が現れます。買い物でよく訪れる地域など、昔の姿を見てみると面白いです。

昔は宿場に泊まりながら移動していたため、大変だったんだろうなと考えてしまいそうですが、案外、江戸時代当時の大人達は、昔は宿場町が無かったから大変だったんだろうなと考えていたかもしれません。昔の様子を見ることで、時代が移り変わり、技術が進歩して便利になっていくのを感じるのも良いものです。

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建築概要

敷地面積655㎡
建築面積497㎡
延床面積1,013㎡
階数地上4階
工期2012年8月〜2013年5月
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ご利用案内・アクセス

開館時間9:00~17:00
休館日月曜日(祝日の場合は開館し翌日休館)
入館料無料
電話044-280-7321
住所神奈川県川崎市川崎区本町1-8-4
アクセス京急線 京急川崎駅 徒歩5分
JR線 川崎駅 徒歩7分

※2021年8月現在の情報です。最新の情報は東海道かわさき宿交流館の公式サイトでご確認下さい。


参考元:

東海道かわさき宿交流館 施設概要 | 川崎市公式ウェブサイト (PDF)

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