TOTOギャラリー・間にて、2021年6月8日~9月26日にて開催されている「アンサンブル・スタジオ展 Architecture of The Earth」では、建築は地球から生まれるということをコンセプトとした、ランドスケープに溶け込んだ建築模型が展示されました。
アンサンブル・スタジオのチームが生み出した作品は、自然にある岩をそのまま建築にしたようなものが特徴です。現在の建物は地球上のエネルギーを大量に消費して建築されていますが、アンサンブル・スタジオでは、建物を作る際にどのように地球を再構築するかを念頭にプロジェクトを進めています。
今回はそんなアンサンブル・スタジオ展の展示内容を紹介します。
アンサンブル・スタジオとは
© Ensamble Studio
アンサンブル・スタジオは、建築家のアントン・ガルシア=アブリル(画像左)とデボラ・メサ(画像右)が主宰するチームであり、2000年に設立されました。大地から建築を作るといった考えのもと、岩を刻んで部屋や通路などの空間を取り入れています。
主な作品には、トリュフやスペイン著作権協会本部といったものがあります。
© Iwan Baan
こちらはスペインにあるトリュフ。岩の中を削り出し、生活空間を入れて洞窟のように仕上げています。
© Iwan Baan
こちらはスペイン著作権協会本部。いくつもの岩が積み重ねられて、特徴的な外観となっています。ランダムに積み重なっているように見えますが、ちゃんとした構造計算のもと作られています。
展示作品の紹介
アンサンブル・スタジオ展では、自然な岩から作ったような建築の模型の他、どのような課程で工事されたか、出来上がった建物の中での生活の様子などが動画で紹介されていました。
岩はもともと自然界にありそうなものに見えますが、実際は現地にて地面を掘り、その地面を型枠にしてセメントを流し、自然に出来た岩のような形にし、周囲の自然豊富なランドスケープに溶け込ませています。
今回展示されていた作品の中から、気になったものを紹介します。
インバーテッド・ポータル(裏返された門)
ポンテ(橋)
レティクラ(建物用途不明・・・)
バザール(西アジアの市場)
彫り込まれた塔
積層する塔
現在の建築物は、どんな素材でもミリ単位でピシッとした形で作られますが、アンサンブル・スタジオの作品では、地球を再構築させる形で建築しており、原始的で自然と融和したものとなります。もともと人間が生活していた空間というのは、こんな感じだったのではないかと考えさせられます。
TOTOギャラリー・間 ご利用案内・アクセス
開館時間 | 11:00~18:00 |
---|---|
休館日 | 月曜日 |
入館料 | 無料 |
電話 | 03-3402-1010 |
住所 | 東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F |
アクセス | 東京メトロ千代田線 乃木坂駅 3番出口より徒歩1分 |
※2021年8月現在の情報です。最新の情報はTOTOギャラリー・間の公式サイトでご確認下さい。