「五島美術館」は神聖な庭園も見どころ

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1.現代建築物の観光

1960年4月18日に東京都世田谷区上野毛(かみのげ)に開館された「五島美術館」は、仏様が多数並べられた神聖で静寂な広い庭園を持ち、林の中の落ち着いた美術館、といった佇まいをしています。

東京急行電鉄の元会長・五島慶太(ごとうけいた)が、鉄道事業のかたわら収集した古写経などの美術品が展示されています。
五島は自らの所蔵品を公開するべく美術館の設立に向けて準備を進めてきたのですが、美術館が完成した姿を目にすることなく、この世を去ってしまいました。

美術館の建物(本館)は、和の空間を作り出すのが得意だった吉田五十八(よしだいそや)が設計しました。
庭園については、造園家の高村弘平が設計しています。

今回はそんな五島美術館の建築と、庭園を紹介します。

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庭との雰囲気が合っている美術館本館

美術館本館は、平安時代の貴族の建築様式である寝殿造りの意匠を取り入れており、近代建築史における貴重な建築物となっています。鉄筋コンクリート造であるものの、しっかりと和の雰囲気が出ています。

こちらは美術館本館の正面入口です。焦げ茶色の円柱と梁、壁は穴あきの石造タイルで構成され、重厚で落ち着いた意匠となっています。

入口の反対側から見た美術館です。
このように芝生の庭がコの字型に建物で囲われ、外部からの騒音から遠ざかり、静寂で落ち着いた雰囲気となっています。
また、樹木が控えめな感じで植えられ、奥ゆかしさを感じます。

建物は全体的に高さが抑えられ、自然の景観が守られているように思えます。

美術館本館は、1961年に第二回建築業協会賞を受賞し、評価を得ています。
2012年には、開館当初の姿を残しつつ、館内設備の更新や展示室増設など大規模な改修を行っています。現在まで大事にされてきた美術館です。

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神聖な空気が漂う庭園

美術館の庭園は、多摩川が武蔵野台地を侵食して出来た傾斜地にあり、まるで森のような庭園となっています。
この庭園には「大日如来」や「六地蔵」など、伊豆や長野などに鉄道を引いた際に、引き取った石仏が置かれています。

こちらは、天祐庵門(てんゆうあんもん)という、庭園の入口に位置する門です。まるで仏様が迎え入れてくれているようです。

こちらは古経楼(こきょうろう)という、古写経を好んだ五島慶太の茶室です。
もともと、台湾総督などを務めた田(でん)健治郎が、1906年に台湾檜を取り寄せて建築した茶室でしたが、1935年に五島慶太の所有となりました。

引用:五島美術館 古経楼・冨士見亭|kindai

12畳半間および8畳間の居室、1940年に増築した4畳台目隅板の茶室・松寿庵をもつ、割と広めの建物となります。広々とした居間に、大きな開口部が心地よさそうな感じがします。
普段、内部は非公開となっています。

こちらは稲荷丸古墳。庭園の中に古墳があるのは珍しいですね。

こちらは冨士見亭という、1957年に五島慶太自らが発案し、建てられた茶室です。

引用:五島美術館 古経楼・冨士見亭|kindai

靴を履いたまま座れる立礼席となっており、晴れた日には広大な肘掛窓から富士山が見えるそうです。茶室建築の特徴である数寄屋造りとなります。
普段、内部は非公開となっています。

広めなスペースに、立派な五重塔の灯籠が建っています。自然の中に佇む五重塔は威厳さを感じます。

こちらは瓢箪池(ひょうたんいけ)。錦鯉が優雅に泳いでいます。

あずまやです。瓦屋根に、木をそのまま使った柱梁に土壁で構成され、数寄屋建築に似た特徴をもっています。

天井部の骨組みや、開口部の意匠が独特であり、趣を感じられます。

こちらは赤門。自然の緑の中に、赤があると目立ちます。神社仏閣のような様相を呈しています。

数々の六地蔵が置かれています。鉄道事業で引き取ったものでしょうか。

このようなハート型をかたどった特徴的な灯籠も多く置かれています。

こちらは春山荘門。立派な切妻の瓦屋根を乗せた門構えです。ここも庭園の出入口となっています。

この階段を登った先に、大日如来があります。庭園の中で最も神聖さを感じられる空間であると思います。

五島美術館の敷地は、庭園を含めると約6000坪(19800㎡)もの広さになります。
美術館だけでなく庭園も見どころとなっており、広大で高低差のある森林のようなこの庭園は、多くの人々の心を癒やしています。
美術館に訪れた際には、是非とも庭園にも足を運ぶ事をおすすめします。

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建築概要

設計<創建時(1960年)>
 建築:吉田五十八
 庭園:高村弘平

<改修時(2012年)>
 清水建設
施工<創建時(1960年)>
 不明

<改修時(2012年)>
 清水建設
建築面積1,143㎡
延床面積1,989㎡
階数地上2階、地下1階
構造鉄筋コンクリート造
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ご利用案内・アクセス

開館時間10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日月曜日(祝日の場合は翌日)
展示替期間
夏期整備期間
年末年始 など
入館料一般   :1,000円
高・大学生:700円
中学生以下:無料
※障害者手帳をお持ちの方および介助者の方1名は200円引
※入園のみ(展覧会以外)は1人300円(中学生以下無料)
電話03-5777-8600(ハローダイヤル)
03-3703-0661(テープ案内)
住所東京都世田谷区上野毛3-9-25
アクセス東急大井町線 上野毛駅 徒歩5分


参考元:

五島美術館 公式サイト
五島美術館庭園(楽しい名園・公園散歩) | setugetukaの名園・公園散歩
五島美術館本館 文化遺産オンライン
五島美術館 改修 | Works | シミズの設計本部
五島美術館 古経楼・冨士見亭|kindai

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