「岡本公園民家園」にある古民家の構造や特徴

03.歴史的建築

岡本静嘉堂緑地の中に、区の有形文化財に指定された古民家がある「岡本公園民家園」があり、江戸時代の農家の家屋を再現させています。

民家園の中には、旧長崎家主屋旧浦野家土蔵など、世田谷区内に存在していた古民家を移築し、江戸時代の風景を作っています。

1980年12月に開園した民家園は季節ごとに様々な行事が行われており、江戸時代の生活を体験する事が出来ます。

今回はそんな岡本公園民家園にある古民家の建築を紹介します。

旧長崎家主屋

旧長崎家主屋は、1977年8月9日に世田谷区指定有形文化財に指定されました。世田谷区瀬田ににて、18世紀末頃に建築されたと考えられている長崎家屋敷を移築したものになります。瀬田の長崎家は、もともと北条家の家臣であり地位の高い家系でした。北条家が滅亡した後は帰農して百姓代になった歴史があります。

旧長崎家主屋の規模は、桁行6.5間(横幅11.8m)梁間4間(奥行き7.2m)、屋根は寄棟造り茅葺きとなっています。

主屋の周りには農機具や木材、石臼などが置かれ、当時の生活が思い起こされます。

主屋の中に入ると、土間にはお釜や流し台など、当時の生活用品がたくさん置かれています。

原寸大の米俵は、あまり見る機会が無いかと思います。

土間を上がると座敷・茶の間があり、その奥には、でい(客間)や納戸がある、田の字の間取りとなっています。

建築当時の間取りは広間型であったと推測されていましたが、19世紀初期頃に四ッ間型に改修されました。広間型四ッ間型は以下のような間取りとなり、広間を座敷と茶の間に分けて改修されています。

土間から屋根を見上げると、屋根裏の構造体が見えます。木を切り出した形のままが掛けられ、その上に小屋束を立て、小屋貫母屋などの上部部材を支えている様子が見られます。

旧長崎家主屋の裏側には、このような旧横尾家椀木門が建っています。1924年に世田谷区桜に建てられ、現在の場所に移築されました。

数寄屋風の建築様式で建てられ、茶室建築にありそうな質素な意匠の門であり、岡本八幡神社の参道に面した裏門となっています。

旧浦野家土蔵

旧浦野家土蔵は、1981年4月22日に世田谷区指定有形民俗文化財に指定されました。世田谷区喜多見にあった浦野家の屋敷に建っていた外倉を、現在の位置に移築したものになります。

土蔵の規模は、桁行3間(横幅5.4m)梁間2.5間(奥行き4.5m)であり、屋根は切妻造り瓦葺きで、外壁は漆喰になります。

浦野家は、1848~1858年頃に菜種油や木炭などを販売しており、商売は始めた時期に土蔵を建てたと伝えられています。明治初年頃まで店として使われ、昭和の戦前まで米を収納する蔵に、戦時中は軍用物資の倉庫になり、戦後はアパートとして使われるなど、様々な用途に転用された歴史があります。そして現在はビデオルームとなっており、外観の割には近代的な内装になっているそうです。

私が訪れた時は、内部の見学は不可になっていました。おそらくコロナの影響でしょう。

庇に葺かれている瓦の側面の意匠を間近で見ることが出来ます。また、竹で作られた雨樋も風情があります。

庇の裏には、稲作の際に使われる田船が置かれていました。

蔵の窓にも庇が付けられており、趣のある外観です。

蔵の正面には畑と東屋があり、江戸時代の農村の風景が作り出されています。東屋の屋根には苔が生え、詫び寂びのある質素で落ち着いた空間になっています。

江戸時代の生活が再現された岡本公園民家園。自然に囲まれ、落ち着いたこの場所に癒やされてみるのも良いですね。

ご利用案内・アクセス

開館時間9:30~16:30
休園日月曜日(祝日の場合は翌日)、12月28日~1月4日(元旦は特別開園)
入園料無料
電話03-3709-6959
住所東京都世田谷区岡本2-19-1
アクセス<電車>
 東急田園都市線 二子玉川駅 徒歩20分
<バス>
 二子玉川駅から東急バス(成育医療研究センター行) 民家園 下車徒歩1分
 二子玉川駅から東急バス(成城学園前駅行) 世田谷総合高校 下車徒歩5分

※2021年6月現在の情報です。最新の情報は世田谷区の公式サイトでご確認下さい。


参考元:

ホーム | 世田谷区ホームページ
せたがや百景 No.72 岡本民家園とその一帯(岡本公園) <世田谷散策記>

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