東急東横線の大倉山駅から徒歩2分という駅近の条件の良い立地に、緩やかな曲線を描いたデザインの集合住宅「大倉山集合住宅」があり、曲線の建物に囲まれた中庭が心地良さそうな建築となっています。
9戸の部屋をもつ集合住宅なのですが、店舗や会社も多く入居しており、外部に開いた建物となっているので、ためらうことなく店舗を訪れる事が出来ます。
設計は妹島和世(せじま かずよ)氏。すみだ北斎美術館や21世紀美術館など、公園のような公共建築を中心に手がけています。
今回はそんな大倉山集合住宅の建築を紹介します。
印象に残る外観デザイン
道路に面する外壁は直線となっており、一見箱物のように見えますが、内部は緩やかな曲線を描いた外壁となっており、中庭が設けられています。
道路側からは奥まで視線が入る形にはなっていませんが、内部の中庭が繋がっているので、プライベート性がありながらも、外部に開かれた建物となっています。
1階は、中庭部分には芝生や樹木が、ピロティ部分には茶色い砂利が敷かれています。芝生とピロティの足下を変化させているので、より建物が曲線的であることが現れています。
また、全ての住戸は1階から入るようになっており、中庭の風景を楽しみながらアプローチ出来ます。
どの角度から見ても、建物が描く曲線が訪れた人々の目を楽しませてくれます。
全ての庭が繋がっているので公共性が高く、また、印象に残るデザインの建物であるため、店舗や会社が多く入っています。
配置図で見ると、いかに建物デザインが特徴的であるか分かります。
プライベート性がありながらも周囲との繋がりあり
通常の中庭だと自分だけ楽しみ、まわりの人たちに背を向けることになる。それで中庭の一部が切れて敷地の外につながっていくかたちを考えました。
引用:妹島和世インタビュー:新しい公共性について──2000年以降の建築実践:フォーカス|artscape
妹島氏はこの言葉の通り、各住戸が完全に自分の世界に閉じないように、プライベートな空間を確保しながらも、その他の住戸および外部との繋がりを持たせています。
2~3階にも庭があり、1階の公共的な庭と、2~3階の住戸の庭がマッチした景観となっています。
室内については、壁はモルタル仕上げとなっており、開口部が大きいためとても明るい空間となっています。間取りは仕切り壁がないので、自由な使い方が出来ます。
以下の動画で内部が見られます。どのような内装になっているか興味ある方は是非。
曲線を描いた外壁が印象に残る大倉山集合住宅。妹島和世氏が設計を手がけていることもあるので、建築好きな方は一見する価値ありです。
建築概要
設計 | 妹島和世建築設計事務所 |
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施工 | 平成建設 |
階数 | 地上3階 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
工期 | 2008年11月 |
アクセス
住所 | 神奈川県横浜市港北区大倉山3 |
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アクセス | 東急東横線 大倉山駅 徒歩2分 |
参考元:
・大倉山集合住宅│ROOM│TATO DESIGN
・大倉山の集合住宅 | 新建築
・大倉山集合住宅 | 空間建築ファクトリー
・街とゆるやかに繋がる―大倉山集合住宅|ブログ|おんぼろ不動産マーケット
・妹島和世インタビュー:新しい公共性について──2000年以降の建築実践:フォーカス|artscape