ドラマ「TOKYO MER」の東京海浜病院のロケ地はどんなところ？

01.現代建築

2021.07.212021.09.03

鈴木亮平や賀来賢人、中条あやみなどが出演しているTBSドラマ「TOKYO MER～走る緊急救命室～」。ドラマに出てくる東京海浜病院の外観のロケ地は「東京臨海病院」となっており、葛西臨海公園の近くにある病院となっています。

東京臨海病院はTOKYO MERの他にも、ドクターX（シーズン3）、Dr．倫太郎、安堂ロイド、相棒（シーズン11、12）など、数多くのドラマのロケ地として使われました。

設計は佐藤総合計画。東京ビッグサイトなどを手がけている会社です。病院建築についても数々のプロジェクトを手がけています。

今回はそんな東京臨海病院の建築を紹介します。

ちなみに、MERチームが普段仕事しているコンクリート打ちっぱなしの青い鉄骨組みのある内観は、スタジオの可能性が高いです。

外観で使われた東京臨海病院はどんな病院？

東京臨海病院は400床の病床数があり、地下1階、地上8階の病院です。地下1階～地上3階は、外来や各種検査室、治療室など様々な機能が備わっており、4～7階は病棟、8階は屋上庭園というフロア構成になっています。

建物上部にある東京臨海病院の文字が、ドラマでは東京海浜病院となっています。

4～7階の病棟では、4床室と個室がありますが、外観を見ると部屋によって奥行が変わっており、バルコニーのガラス張りの手すりも奥行に応じて位置を変えています。

病院は葛西臨海公園の近くに位置しており、公園にある観覧車が見えます。

こちらが病院の敷地のメイン入口。入口の位置が分かりやすく、車で訪れやすそうな感じです。

周辺は植木や芝生など緑が多く、建設の際に出た掘削土壌を利用した外構となっています。

病院施設としては珍しい三角形平面になっています。中央のコアは六角形となっており、中央から3方向に通路を設けた導線が計画されています。また、15台ものエレベーターが用意されています。

引用：東京臨海病院公式サイト | © Tokyo Rinkai Hospital. All rights reserved.

三角形平面にすると方向感覚が喪失しやすくなりますが、中央コア部分を茶色壁面にしてシンボルカラーとし、自分がどの位置にいるのかが認知出来るよう工夫されています。また、2層分の吹き抜けに上から光を取り入れており、開放感のある内観です。

こちらは病院の中央部です。エレベーターホールになっており、3方向に通路が伸びています。

こちらは屋上庭園。南側に設けているので、葛西臨海公園や東京湾が一望出来そうな場所です。

引用：東京臨海病院公式サイト | © Tokyo Rinkai Hospital. All rights reserved.

建物は免震構造となっており、上画像の建物基礎部分には、一番奥にある積層ゴムや、手前の黄色い鋼棒ダンパーなどを設置し、地震の揺れを建物に伝えないようにしています。阪神大震災や東日本大震災などの震度7の揺れには十分耐えられるようです。

また、液状化対策も施しており、地盤改良を地下35mまで行っています。非常に災害に強い施設になっているので、災害時の緊急医療拠点としても機能するよう作られています。

地震災害だけでなく防火にも考慮されており、病棟の防火区画を3区画に分けてベッドごと水平移動で別の区画へ移動出来るようになっています。防火区画とは、区画の境界を防火壁で区切り、一部分に火災が発生しても被害はその一区画内に留めて延焼を防止するというものです。

また、2階以上に避難用バルコニーを設置し、3階以上はハシゴ車による救助が出来るよう作られており、火災にも強い施設になっています。

さらに屋上には、ホバリング設備と呼ばれるヘリが空中に浮かんだまま救助を行う場所も設置されています。

病気を患っているときは、どうしても身体が思うように動けませんので、その時に運悪く災害が起こってしまっても、安心して利用出来そうな病院施設です。優良防火対象物および防災上安全な建物として認定されており、また医療福祉建築賞にも認定された優れた建築です。

電話	03-5605-8811
住所	東京都江戸川区臨海町1-4-2
アクセス	＜電車＞　JR京葉線　葛西臨海公園駅　徒歩20分　東京メトロ東西線　西葛西駅　徒歩24分＜バス＞　西葛西駅から都バス（臨海町二丁目団地前行）　東京臨海病院前　下車徒歩3分　葛西駅からりんかいシャトル（東京臨海病院行）　東京臨海病院　下車すぐ

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