「かながわサイエンスパーク」は一般の人も立ち寄りやすいオフィスビル

01.現代建築
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川崎市にある大規模な研究開発オフィスをもっている「かながわサイエンスパーク」は、都心から15km圏内にありながら緑の多い落ち着いた環境となっており、店舗や図書館などもあるので一般の人も立ち寄りやすい施設です。

かながわサイエンスパーク案内図
かながわサイエンスパーク案内図

十字型平面のビルはR&DビジネスパークビルのA棟からD棟、その横のビルはイノベーションセンタービルの西棟と東棟になります。当時、日本初の都市型サイエンスパークとして1989年に建てられ、現在は研究開発を行う有名企業からベンチャー企業まで入居しています。

設計は日本設計。日本橋高島屋や虎ノ門ヒルズ、渋谷公会堂や藤子・F・不二雄ミュージアムなど、幅広い数多くのプロジェクトを手がけている大企業です。

今回はそんな、かながわサイエンスパークの建築を紹介します。

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イノベーションセンタービル 西棟・東棟

かながわサイエンスパークのイノベーションセンタービル西棟外観

イノベーションセンタービル西棟は地上10階、地下1階建ての建物であり、1階にはコンビニ、カフェ、レストラン等の店舗が入り、2階は図書館やコワーキングスペース、3~7階はオフィス、8~10階はホテルというフロア構成となっています。

画像手前はホテルKSPの正面入口で、石造りの洋風な外観で車が手前まで入れる形になります。画像奥のガラス張りの入口は、イノベーションセンタービル西棟の正面入口で、店舗や図書館などを利用する際の入口となっています。用途によって入口の雰囲気を変えています。

内部は撮影禁止のため写真はありませんが、天井から光の入る綺麗な吹き抜けがあります。

かながわサイエンスパークのイノベーションセンタービル西棟の外部通路

入口の両脇には、このような2階へ直接アクセス出来る通路があり、上部のブリッジのようなデザインがお洒落で、明るい雰囲気のある通路です。

かながわサイエンスパークのイノベーションセンタービル西棟の裏口

イノベーションセンタービル西棟の裏側に回ると、正面にあったような円形の階段が見受けられます。また、東棟と繋がる渡り廊下も見えます(画像左奥)。東棟は地上6階、地下1階建ての建物であり、新規事業に進出したばかりの中小企業を対象にした事務室や研究室が入っています。

かながわサイエンスパークのイノベーションセンタービルからR&Dビジネスパークビルへの渡り廊下
かながわサイエンスパークのイノベーションセンタービルからR&Dビジネスパークビルへの渡り廊下

隣の十字型のR&Dビジネスパークビルへは渡り廊下で繋がっており、渡り廊下は池や緑で囲まれたガラス張りの通路です。

イノベーションセンタービル西棟の中には、素材を汚れにくくさせる光触媒のミュージアムもあります。さすがは研究開発が中心のオフィスなだけあります。

かながわサイエンスパークのイノベーションセンタービル西棟の光触媒ミュージアム
かながわサイエンスパークのイノベーションセンタービル西棟の光触媒ミュージアム
かながわサイエンスパークのイノベーションセンタービル西棟の光触媒ミュージアム
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R&Dビジネスパークビル A~D棟

かながわサイエンスパークのR&Dビジネスパークビル外観

R&Dビジネスパークビルは、A~D棟の4つの棟に分かれている地上12階、地下1階建ての建物であり、研究室や実験室、オフィスなどが入っているので、関係者以外は立入禁止になっています。

オフィスは、鉄骨鉄筋コンクリートの柱ごとに部屋を仕切ってレイアウトする形となっており、1スパン約78㎡。1棟・1フロアで12スパン分の規模になります。エレベーターは12基備えられており、わりと規模が大きいので、正面から見ると貫禄のある外観となっています。

かながわサイエンスパークのR&Dビジネスパークビル外観

また、建物自体は振動を少なく抑えており、剛性の高い耐震構造になっています。

かながわサイエンスパークのR&Dビジネスパークビル外観

正面入口は、ヴォールト(かまぼこ型)の屋根が伸び、周囲には生垣や芝生などの緑が豊富に施されています。

かながわサイエンスパークのR&Dビジネスパークビル外観

R&Dビジネスパークビルを側面から見た様子です。完全には建物が繋がっておらず、鉄骨の梁を渡らせている形になるので、実際には十字型というよりかは、L字型の建物が2つ建っている感じになります。中央の広場に入っていくことは出来ませんが、横から見ても開放感がありそうな空間です。

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緑豊かなオープンスペース

かながわサイエンスパークの公開空地

敷地内のビル周辺は、緑豊かな公開空地となっています。公開空地とは、建築基準法で定められたオープンスペースであり、オフィスやマンションの敷地の中で、一般に開放され自由に通行・利用できる区域を指します。実に、敷地の4割以上が公開空地となっています。

ちなみに上の画像は、敷地の西側、イノベーションセンタービルとR&Dビジネスパークビルの正面にある広場です。

かながわサイエンスパークの公開空地

実に広い公開空地ではありますが、敷地の南東部にあるこちらの芝生広場は、緊急避難場所のために普段は立入禁止になっています。

かながわサイエンスパークの公開空地

芝生広場の横にある街路樹です。岩を途中で切断したようなオブジェが並んでいて面白いです。

かながわサイエンスパークの公開空地

街路樹の途中にあるオブジェ。雨が降って水が溜まった時の姿を見てみたい気もします。

かながわサイエンスパークの自由広場
かながわサイエンスパークの自由広場

こちらは敷地の東部、R&Dビジネスパークビルの裏側に位置する自由広場です。池に面する部分はウッドデッキになっており、温かみのある憩いの場となっています。

かながわサイエンスパークの公開空地

池は、イノベーションセンタービルとR&Dビジネスパークビルの間まで配されていて、環境が良さそうです。

かながわサイエンスパークは、イノベーションセンタービル西棟や公開空地でしたら気軽に立ち寄ることが出来るので、興味のある方は一度足を運んでみては。

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建築概要

設計日本設計
敷地面積55,378㎡
建築面積15,595㎡
延床面積146,335㎡
最高高さ61m
階数地上13階、地下1階
構造鉄骨鉄筋コンクリート造
竣工1989年7月26日
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ご利用案内・アクセス

電話044-819-2001
住所神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1
アクセス<電車>
 東急田園都市線 溝の口駅 徒歩15分
 JR南武線 武蔵溝ノ口駅 徒歩15分
<バス>
 溝の口駅東口・武蔵溝ノ口駅北口からシャトルバス(KSP 行)
 溝の口駅東口・武蔵溝ノ口駅北口から川崎市バス(第三京浜入口 行、小杉駅 行、井田営業所 行) 高津中学校入口 下車徒歩2分
 新横浜駅から東急バス(武蔵溝ノ口駅 行) 高津中学校入口 下車徒歩2分


参考元:

かながわサイエンスパークビル貸室案内
かながわサイエンスパーク|施工実績|飛島建設
かながわサイエンスパーク | PROJECTS | 日本設計

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