「向井潤吉アトリエ館」はアトリエ兼住居を美術館へ改装した建物

02.近代建築
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世田谷区の閑静な住宅街の中に、趣のある住居のような美術館「向井潤吉アトリエ館」があります。向井潤吉氏は、失われつつある茅葺き屋根の民家を訪ねる旅に出て、その民家を情緒溢れる絵画として残していった画家の方です。

向井潤吉「遅れる春の丘より」

当初、アトリエ兼住居として建てられたのですが、向井潤吉氏は約660点もの作品を世田谷区に寄贈し、1993年7月に世田谷美術館の分館として開館しました。

新築時の設計は佐藤秀三(ひでぞう)氏。和洋折衷の木造建築を主に手がけてきた建築家です。

今回はそんな向井潤吉アトリエ館の建築を紹介します。

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趣のある住居のような美術館建築

向井潤吉氏(1901-1995)は、1933年に現在の位置にアトリエ兼住居を建築しました。しかし災難にも、1961年に不審火によって焼失してしまいます。ですが、1962年8月にて無事にアトリエ兼住居を再建させています。

世田谷区民の憩いの場にしたいという向井潤吉氏の意向のもと、1993年3月には美術館への増改築をしています。その後、2010年3月には耐震補強を行っています。

新築時は佐藤秀三氏の設計によって建てられていますが、美術館への増改築および耐震補強は、佐藤秀一級建築士事務所が創業者の秀三氏の意思を引き継いで手がけています。

佐藤秀三氏は、和洋折衷の木造建築を手がけてきているだけあって、和風住宅の中に洋風の要素が取り入れられていました。(建物内は撮影禁止のため、写真は外観のみになります。)

向井潤吉アトリエ館外観

道路側から見える風景は、自然に囲まれた趣のある和風住宅といった感じです。

向井潤吉アトリエ館看板

アトリエ館の看板。年季が入っており、和の雰囲気があります。

向井潤吉アトリエ館入口
向井潤吉アトリエ館入口

敷地内へは石階段を上がり、玄関に向かっていく形になります。静寂で自然溢れる風景です。ただ、やはり危ないのか、手すりは設置されています。

向井潤吉アトリエ館玄関

こちらが入口。一般住宅にお邪魔する感覚のように入館するため、少しためらいますが、中はれっきとした美術館になっています。中は天井に梁などの骨組が見える、和洋折衷の趣ある展示室になっています。

向井潤吉アトリエ館ファサード

切妻の大屋根が特徴であり、本棟造りとよばれる建物となっています。本棟造りは長野県の中信から南信にかけて分布する民家の形式なので、関東に建っているのは貴重です。

向井潤吉アトリエ館の庭園
向井潤吉アトリエ館のししおどし

アトリエ館の全面には日本庭園が広がり、ゆっくり座れる場所や、ししおどしなどが置かれています。

向井潤吉アトリエ館の庭園

日差しがちょうど良く入り、静寂な自然の風景です。

向井潤吉アトリエ館の蔵

アトリエ館には土蔵が併設されており、母屋(住宅)とつながっています。これは1969年に岩手県一関から移築されており、土蔵の中も美術展示室になっています。

向井潤吉アトリエ館の蔵
向井潤吉アトリエ館の蔵

母屋部分も綺麗に保存されていますが、土蔵部分も割と綺麗で、絵画と共に建物も大切に保存されていることが分かります。

向井潤吉アトリエ館外観

過去に一度不審火に遭いながらも、長年、向井潤吉氏が親しんできたこの場所に足を運んでみてはいかがでしょう。

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建築概要

設計新築時:佐藤秀三
耐震補強、増改築:佐藤秀一級建築士事務所
延床面積250.9㎡
階数地上2階
構造木造
竣工新築:1962年8月
増改築:1993年3月
耐震補強:2010年3月
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ご利用案内・アクセス

開館時間10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日月曜日(ただし祝日の場合は翌日休館)
年末年始(12/29~1/3日)、展示替え期間
入館料一般   :200円(160円)
高・大学生:150円(120円)
65歳以上・中学生以下:100円(80円)
※()内は団体料金(20名以上)
※中学生以下は、土日祝および夏休み期間は無料
電話03-5450-9581
住所世田谷区弦巻2-5-1
アクセス東急田園都市線 駒沢大学駅 西口より徒歩10分
東急世田谷線 松陰神社前 徒歩17分

※渋谷・梅ヶ丘・祖師ヶ谷大蔵駅からすぐ近くまで、東急バスで移動出来ます。
 渋谷駅から東急バス(弦巻営業所行き) 駒沢中学校 下車徒歩3分
 小田急線 梅ヶ丘駅から東急バス(等々力操車所行き) 駒沢中学校 下車徒歩3分

※2021年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトでご確認下さい。


参考元:

世田谷美術館分館 向井潤吉アトリエ館
世田谷美術館分館 向井潤吉アトリエ館 | 建築作品集 | 株式会社佐藤秀

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