新橋のビジネス街に佇む西洋建築の「旧新橋停車場」は、1872年10月14日に開業した日本最初の鉄道ターミナル新橋停車場の駅舎の外観を、当時と同じ位置に再現した建築物です。
この再現された停車場は、無料の鉄道歴史展示室や、レストランなどが入っています。
今回は、鉄道の発祥であり、威厳のある建物である旧新橋停車場紹介します。
新橋駅の歴史を知る
1872年当時の新橋停車場は、アメリカ人の建築技師、リチャード・ブリジェンス氏の設計により作られました。
ブリジェンス氏は、横浜駅や横浜税関などの西洋建築を手掛けている建築技師となります。
新橋停車場は再現されるまで、駅名を変えながら、火災や駅廃止といった歴史を辿っています。
以下、簡単な年表を載せておきます。
1871年の完成当時は西洋建築がまだ珍しい時代だったため、偉容を誇っていたそうです。
以下が、当時の写真となります。これを見ると、忠実に再現されているのが分かります。
開業当時の停車場は、木骨石張り構造となります。木骨石張りとは、柱や梁などの骨組みを木材で作り、壁や床などを石材で作る構造です。
なお、再現された現在の停車場は、鉄筋コンクリート構造となります。
創建当時の設計図は残されてなく、当時の写真を手がかりに、コンピュータ分析して寸法を割り出していたそうです。
基礎の石積が発掘されたことによって、寸法が厳密に確認出来ています。
また、建物の裏側には再現された駅のホームがあります。
ホームの長さは25m。あえて屋根は造らず、当初の姿をイメージできるよう柱とフレームだけを建てています。
また、ホームの横にはレールが敷かれ、そこには鉄道の起点を現す「0哩(ゼロマイル)標識」や車止めを復元しています。
威風堂々とした建築デザイン
停車場正面の中央入口は、貴賓用出入口となっています。デザインは、当時の写真では正面に設置されていた屋根で見えなかったため、創建当時の意匠の再現ではないようです。その他の外観は、ディテールまで正確に再現されています。
しかし再現といえども、2003年時点の建築基準法に則って作られました。防災対策やバリアフリーなどの性能を取り入れています。
そして、駅舎の外観に使用されていた材料は現在入手不可能なため、建材に用いられるものから選定されています。
窓の庇は、1階が円形型、2階が三角型とデザインが使い分けられ、変化を持たせています。1階の窓の庇からは、放射状に石材が貼られており、少しばかり華やかさを感じます。
窓枠の上部には、アールヌーボーを思い起こさせる植物のようなデザインが施されています。
そして、床下換気口も1階窓のデザインと似せており、統一感があります。
また、外壁下部の表面は粗く作られ、より建物の威厳さが出ているように思えます。
外壁の角には色の濃い石材を用いて、外観デザインにアクセントをつけています。これは、洋風の住宅にもよく施されているデザインですね。
新橋の高層ビル群の中に佇んだ都会のオアシスであり、観光客やビジネスマンの憩いの場となっています。
背後の汐留シティセンターの高層ビルと、旧新橋停車場とのコントラストが、時代の移り変わりを表現しているようで味わい深さを感じる建物です。
ご利用案内・アクセス
開館時間 | 10:00〜17:00(入館は16:45まで) |
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休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合は翌日火曜日が休館) |
入場料 | 無料 |
電話 | 03-3572-1872 |
住所 | 東京都港区東新橋1-5-3 |
アクセス | JR線 新橋駅 徒歩5分 都営大江戸線 汐留駅 徒歩3分 東京メトロ銀座線 新橋駅 徒歩3分 都営浅草線 新橋駅 徒歩3分 新交通ゆりかもめ 新橋駅 徒歩3分 |
※2020年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトでご確認下さい。
参考元:
・旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
・港区ゆかりの人物データベースサイト
・賃貸事務所・賃貸オフィス・貸事務所の仲介なら三幸エステート
・FABRICA