「乗泉寺」は鉄筋コンクリート造のモダンなお寺

02.近代建築
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渋谷と代官山の間に位置する寺院「乗泉寺」は、渋谷駅から徒歩圏内でありながら静寂な雰囲気のあるお寺で、緑が豊富な中庭や、本堂の内部空間が魅力的な建築となっています。

もともと、江戸時代初期に京都に建立され、徳川家光の時代に麻布桜田町(現在の六本木ヒルズの場所)に移転し、戦後まもなく現在の位置に移転しました。

乗泉寺の境内建物配置

境内にある建物は、中庭の周囲を各建物が取り囲んでおり、廻廊で繋がれた形式となっています。

設計は谷口吉郎氏。東京国立近代美術館東京国立博物館 東洋館などを手がけた建築家です。1964年に竣工された当時は、コンクリートのモダンなデザインであったため評判となったようです。

今回はそんな乗泉寺の建築を紹介します。

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外観・中庭

乗泉寺の中庭と廻廊

乗泉寺の本堂や教務館、福祉館などを、屋根のある廻廊でそれぞれ繋がれています。その廻廊の中は樹木や草花が植えられた緑豊かな中庭となっています。

乗泉寺の廻廊

廻廊は全長217mあり、床には鉄平石が敷き詰めてあります。鉄平石は、長野県の佐久・諏訪地方で採取される板状に割れる輝石安山岩であり、屋根瓦や床の敷石、壁の張り石などに使用されています。

乗泉寺の中庭と廻廊

本堂の外観の2階部分は、千切り形(ちぎりがた)と呼ばれる山折り谷折りに白タイルおよびガラスが設置された手法で作られています。本堂の手前には様々な花があり、紫陽花(あじさい)がたくさん咲いていました。

乗泉寺の竹林
乗泉寺の竹林

一角には竹林が生い茂っています。

乗泉寺の霊堂

中にはこのような六角形平面の霊堂(仏様などをお祀りしたお堂)が佇んでいます。霊堂の足下には六角形の池があり、より神聖な雰囲気を出しています。

乗泉寺の外観ファサード

中庭を手前にした本堂の外観ファサード(前面)が映えます。

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本堂の内観

乗泉寺本堂の内観

乗泉寺本堂の内観は、実に神聖で静寂な雰囲気のある場所であり、心が浄化されます。

乗泉寺本堂への階段とモザイク壁画「合掌」

乗泉寺本堂は2階にあるのですが、そこに続く階段室にはモザイク壁画「合掌」があります。地下1階から地上2階の上部までにおよぶ巨大な作品です。

乗泉寺本堂への階段とモザイク壁画「合掌」

大谷石(おおやいし)が使われ、そこに様々な色のタイルが埋め込まれており、合掌する手を描いています。

乗泉寺本堂への階段とモザイク壁画「合掌」

反対側には階段およびモザイク壁画があります。こちらの手は白一色ですね。

乗泉寺本堂の手前の空間

本堂手前の空間は、唐松材の板張りの天井に、壁は茶色いタイルで仕上げられており、暖かみのある空間です。

乗泉寺本堂の内観

本堂は、前方中央に「南無妙法蓮華経」の御本尊が安置されています。音響効果に配慮するため高さ6mの天井高が設けられており、明るく開放的な空間になっています。

乗泉寺本堂の内観

御本尊の手前には綺麗な飾りや、谷口吉郎氏が好んだ六角形デザインの照明があり、煌びやかな雰囲気になっています。また両サイドから光をふんだんに取り入れています。

乗泉寺本堂の内観

天井は、唐松材の板張りにV字型の鉄骨梁の構造体が見えます。

乗泉寺本堂の内観
乗泉寺本堂の内観

本堂の向かって左側の壁は、山折り谷折りの幾何学模様になっており、すりガラスやステンドグラス、白タイルが貼られ、より華やかな空間を作り出しています。また、座ったときの目線の位置の窓が開けられるようになっており、中庭が眺められるようになっています。

乗泉寺本堂の内観

上部も同様に、山折り谷折りの幾何学模様となっています。

乗泉寺本堂の内観

本堂の向かって右側の壁も、左側と見た目を合わせるように山折り谷折りで仕上げられています。

乗泉寺本堂の内観

柱に設置されている長い六角形の照明のデザインも、本堂の雰囲気に合っています。

煌びやかで神聖な雰囲気のある乗泉寺。その他のお寺のように普通に入ることが出来ますので、ぜひ谷口吉郎氏が残した名建築を堪能してみては。

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ご利用案内・アクセス

開館時間6:30~20:00
電話03-3462-9991
住所東京都渋谷区鶯谷町10-15
アクセス東急東横線 代官山駅 徒歩8分
各線 渋谷駅 徒歩10分

※2021年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトの今後の御奉公体制でご確認下さい。


参考元:

本門佛立宗妙証山乗泉寺

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