「東京国立博物館 東洋館」建築の見どころ

01.現代建築

上野公園にある、多くの重要文化財が展示された「東京国立博物館」。本館の近くに建てられている「東洋館」は、外観とは裏腹に、内部は開放感のある神聖な空間であり、人によっては不気味な空間に感じるかもしれません。

コンセプトは東洋美術をめぐる旅。中国、朝鮮、東南アジアなどの東洋を中心とした美術品を展示している施設となります。

設計は谷口吉郎氏。同じ東京国立博物館の敷地内にある法隆寺宝物館を設計した谷口吉生氏の父であり、東京国立博物館の評議員も担っていました。

今回はそんな、神聖で不気味な雰囲気のある東京国立博物館 東洋館の建築を紹介します。

東京国立博物館
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日本的な外観

東洋館の外観は、奈良の正倉院をイメージしたデザインとなっています。鉄骨鉄筋コンクリート造ではありますが、柱と梁を伝統的な日本の木造建築のように組まれています。

東京国立博物館東洋館外観

2階のテラスは休憩スペースとなり、博物館内の庭園を一望出来ます。手前の庭園から見ても、建物のデザインとよくマッチしています。

軒先が大きく張り出しており、近くで見ると、立派な小屋梁と列柱の様子がよく分かります。

壮大で神聖な内観

東洋館の内観の展示室は、外観とは裏腹に開放感があります。地下1階から地上3階(半階を含むと5階)なので、壮大で神聖な空間になっています。

東京国立博物館東洋館展示室

最上階まで半階ずつ上がっていくスキップフロア型となっており、一部、地下1階から地上5階までずっと吹抜けになっています。
外からの光は天窓のみとなっており、照明も少なめなので薄暗く、とても落ち着いた空間です。

主に仏像や石版が展示されているので、薄暗い展示空間が展示物とよく合っています。

展示室の中でも、コンクリートの柱・梁の構造体を楽しむ事が出来ます。

2012年に便利になってリニューアル

1968年に新築された東洋館ですが、その41年後の2009年6月~2012年6月にかけて耐震改修が行われました。工事中の2011年3月では東日本大震災が起こりましたが、この時は建物の大半が耐震化されていたため被害を免れたようです。

既存壁に鉄骨ブレースを設置する等の補強が行われましたが、既存の建物デザインに影響を与えずに耐震補強を実現しました。展示面積の増減もないように調整されたそうです。

ロビーの壁にはタイルが張られていますが、耐震改修した際に新規に約2万枚のタイルが製作されました。

改修前の意匠を継承するため、色彩や細部にこだわって作られたようです。全て同じ色ではなく、また横にスジが入っているタイルだったため、かなり手間のかかる作業であることが想像されます。

展示室では中央の吹抜けにエレベータを設置して、お年寄りの方に優しく、車椅子で訪れても問題なく各フロアの展示物が鑑賞出来るように改修されています。
階段を上がりながら色んな角度で展示空間を楽しむのもありですが、エレベータはガラス張りになっているので、エレベータからでも展示空間が楽しめられます。

展示ケースには低反射ガラスを使い、飛散防止フィルムを挟んで2枚重ねにしているため、観覧者や展示物を守る安全な展示ケースにリニューアルされました。
照明にはLEDを採用しており、より展示物を見やすくしています。実際、ケースに囲われた作品を鑑賞していても、光源の反射を気にすることなく鑑賞する事が出来ました。

壁や柱にある四角い照明は、新築当時のものをクリーニングし、光源をLED化して再利用しているそうです。劣化を感じさせない綺麗な光が発出された照明ですね。

東京国立博物館の建築群の中でも、決して目立った存在ではない東洋館ですが、博物館に訪れた際には是非とも一見してみることをオススメします。

別記事で、東京国立博物館の東洋館以外も紹介していますので、是非こちらもご覧下さい。

建築概要

設計新築時:谷口吉郎
改修時:安井建築設計事務所
施工新築時:清水建設
改修時:大林組
延床面積12,531㎡
階数地上3階、地下2階
※展示室の半階を含むと地上5階
構造鉄骨鉄筋コンクリート造
竣工新築時:1968年10月
改修時:2012年6月

ご利用案内・アクセス

開館時間9:30~17:00(入館は16:30まで)
無料観覧日国際博物館の日(5月18日)※月曜の場合は翌日
敬老の日(9月第3月曜日)
文化の日(11月3日)
休館日月曜日(祝日の場合は翌平日に休館)、年末年始
その他休館あり。詳細は公式サイトをご覧下さい。
入館料大人   :1,000円
大学生  :500円
高学生以下:無料
※特別展の場合は別料金となります。詳細は公式サイトをご覧下さい。
電話利用案内や展示・催し物に関するお問い合わせ:050-5541-8600
その他のお問い合わせ:03-3822-1111
住所東京都台東区上野公園13-9
アクセスJR線 上野駅 公園口より徒歩10分
JR線 鶯谷駅 南口より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線 上野駅 徒歩15分
東京メトロ千代田線 根津駅 徒歩15分
京成電鉄 京成上野駅 徒歩15分

※2021年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトでご確認下さい。

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参考元:

東京国立博物館 – トーハク
安井建築設計事務所 公式サイト
東京国立博物館東洋館(昭和モダン建築探訪) : 関根要太郎研究室@はこだて
東京国立博物館東洋館リニューアル | 新建築.online/株式会社新建築社

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