東京の乃木坂駅からすぐの場所に位置する「乃木神社」は、社殿建築はもちろんのこと、旧乃木邸や乃木公園など見どころがたくさんあります。日本の陸軍軍人である乃木希典(まれすけ )氏とその妻・静子氏の御夫妻を祀った神社であり、明治天皇への忠誠心が高く、天皇崩御の際に後を追って夫婦ともに自害しています。
![乃木神社境内案内図](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_map-1024x683.jpg)
1923年(大正12年)に大江新太郎氏の設計によって創建されましたが、1945年(昭和20年)の空襲により手水舎(てみずしゃ。拝礼の前に手を洗い口をすすいで身を清める場所)以外は焼失してしまいました。その後、1962年(昭和37年)に息子の大江宏氏の設計によって再建されました。
乃木神社は東京の他にも、北海道、栃木、京都、山口、香川にあるのですが、本記事では東京の乃木神社境内の建築を紹介します。
乃木神社
![乃木神社境内の一の鳥居](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts-1024x683.jpg)
乃木神社は乃木坂沿いに境内入口があり、一の鳥居が建っています。
![乃木神社境内の手水舎](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_2-1024x683.jpg)
こちらは一の鳥居を入ってすぐの場所にある手水舎。壁は鉄筋コンクリートであるものの、木造の立派な反りの入った屋根が載っており、乃木神社の景観に合っています。
![乃木神社境内の社務所](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_4-1024x683.jpg)
こちらは社務所。屋根の形状は社殿(後述にて紹介)の見た目と合わせたような感じになっています。
![乃木神社境内の祈願待合所(旧手水舎)](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_5-1024x683.jpg)
こちらは祈祷待合所であり旧手水舎となります。1945年(昭和20年)の空襲によって境内の建物はほとんど焼失してしまいましたが、この旧手水舎と二の鳥居は空襲を免れています。
![乃木神社境内の宝物殿](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_6-1024x683.jpg)
こちらは宝物殿。乃木希典に関する勲章や遺言書などが展示されています。鉄筋コンクリート造ですが、屋根裏や手すりなどの意匠を木造のような造りにすることで、乃木神社の景色に溶け込んでいます。
![乃木神社境内の社殿](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_7-1024x683.jpg)
こちらは社殿(拝殿・弊殿・本殿)の中のひとつである拝殿です。切妻の大屋根が特徴の建築であり、どっしりと構えています。
![乃木神社境内の社殿](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_8-1024x683.jpg)
拝殿の後ろには幣殿、さらに後ろには本殿が建っており、拝殿からは一部がわずかに見えます。本殿は伊勢神宮などで用いられている神明造という建築様式です。
![乃木神社境内の社殿](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_9-1024x683.jpg)
弊殿・本殿の周囲は回廊で囲まれており、神聖な雰囲気があります。
![乃木神社境内の正松神社](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_10-1024x683.jpg)
![乃木神社境内の正松神社](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_11-1024x683.jpg)
社殿の横には正松神社があります。この神社は、乃木氏が師事した松下村塾の玉木文之進正と、その後継者の吉田松陰が祀られた松陰神社から分霊して境内に創建されたものです。
![乃木神社境内の正松神社から社務所へ続く通路](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_12-1024x683.jpg)
こちらは正松神社から社務所へ続く通路です。乃木神社の家紋を型取った照明が並び、赤い絨毯が敷かれて神聖な空間になっています。
![乃木神社境内の赤坂王子稲荷神社](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_13-1024x683.jpg)
社殿に向かう途中経路には、赤い鳥居が連続に並んだ赤坂王子稲荷神社があります。乃木神社の戦災復興をきっかけに、乃木氏が崇めていた王子稲荷神社から分霊して境内に創建されました。
![乃木神社境内の赤坂王子稲荷神社](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_14-1024x683.jpg)
![乃木神社境内の赤坂王子稲荷神社](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_precincts_15-1024x683.jpg)
赤い鳥居をくぐった先には、このような赤を基調にした意匠の社殿が現れます。
旧乃木邸
![旧乃木邸外観](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house-1024x683.jpg)
乃木神社に訪れた際には、旧乃木邸にも訪れてみることをオススメします。こちらは、乃木神社の敷地の隣にある乃木希典氏の邸宅であり、港区の指定有形文化財に指定されています。
![旧乃木邸裏門](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house_2-1024x683.jpg)
外苑東通り沿いに入口がありますが、乃木神社境内からは、裏門から入る事が出来ます。
![旧乃木邸の庭園](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house_3-1024x683.jpg)
![旧乃木邸の庭園](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house_4-1024x683.jpg)
樹木が生い茂る緑豊かな庭があり、丘の上に旧乃木邸は建っています。
![旧乃木邸外観](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house-1024x683.jpg)
旧乃木邸は、1902年(明治35年)に新築された木造平屋建ての日本瓦葺きの建物であり、建築面積は約168㎡ほどあります。
![旧乃木邸入口](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house_5-683x1024.jpg)
正面玄関です。
![旧乃木邸平面図と断面図](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house_13-561x1024.jpg)
間取りは、広間・台所・居室といった普段の生活に使う部屋の他、来賓食堂や応接室など、客を招き入れる部屋もあります。階段下や屋根裏なども活用しており、合理的に作られた邸宅になっています。このような合理的な邸宅は、乃木氏がドイツ留学の際に視察したフランス陸軍の兵舎をスケッチし、自ら設計しています。
毎年9月12日と13日(乃木氏の命日)には、内部無料公開されています。
![旧乃木邸外観](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house_6-1024x683.jpg)
外観は、木造であるものの黒塗りの堅牢な意匠になっています。
![旧乃木邸外観](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house_7-1024x683.jpg)
![旧乃木邸外観](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house_8-1024x683.jpg)
正面玄関から見ると2階建に見えるのですが、傾斜した敷地を利用して地下を作った3層構造となっています。
![旧乃木邸の厩外観](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house_10-1024x683.jpg)
こちらは旧乃木邸の敷地内にある厩(馬屋)です。1889年(明治22年)に邸宅より先に建築されました。イギリスから取り寄せたレンガで作られた平屋建ての日本瓦葺きであり、間口約25m、奥行約4.5mほどの規模です。
邸宅が木造なのに対し、厩はレンガ造りであり先に作られたため、馬を大事にしてきたことが分かります。
![旧乃木邸の厩外観](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house_11-1024x683.jpg)
厩は4つに区分けされ、馬房の他に馬糧庫などがあります。外観の木造部分は邸宅と同じく、黒塗りになっています。
![旧乃木邸の厩内観](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house_12-1024x683.jpg)
馬房の内部です。
![旧乃木邸の乃木家祖霊舎](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-house_9-1024x683.jpg)
こちらは旧乃木邸の敷地内にある乃木家祖霊舎。乃木家祖先と日露戦争で戦死した2人の息子(勝典・保典)の御霊を祀っています。
乃木公園
![乃木公園入口](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-park-1024x683.jpg)
乃木神社および旧乃木邸敷地の隣には、乃木公園があります。1913年(大正2年)に開設された有形文化財です。上画像は入口門になりますが、パイプのような個性的なオブジェが立っています。
![乃木公園のオブジェ](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-park_2-683x1024.jpg)
公園内には引きちぎれるようなオブジェも立っています。
![乃木公園のレンガ](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-park_3-1024x683.jpg)
![乃木公園から見える厩](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-park_4-1024x683.jpg)
公園内には赤レンガが随所に施されています。こちらは旧乃木邸の厩の裏側になり、アーチ型の出入口によって旧乃木邸敷地と乃木公園がつながれています。
![乃木公園のオブジェ](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-park_5-1024x683.jpg)
公園内の階段を降りると、入口にあったものと同じデザインのオブジェがあります。
乃木会館
![乃木会館外観](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-hall-1024x683.jpg)
乃木神社の隣、乃木坂沿いには乃木会館があります。山型の連続したアーチが印象的なこの会館は、主に結婚式場として使われています。
![乃木会館外観](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-hall_2-1024x683.jpg)
隣にあるこの建物も乃木会館。模様の付いた外壁に、上部の突出したテラスが特徴であり、テラスからの眺めは最高なのではないかと思います。
![乃木会館の隣にあるレストラン・メゾンブランシュ](https://tatefro.com/wp-content/uploads/2021/09/nogi-shrine_nogi-hall_3-1024x683.jpg)
乃木会館の隣には、レストラン・メゾンブランシュがあります。手前には建物の形になった鉄骨枠がありますが、これはかつてレストランの看板が付いていたようです。
乃木神社へ参拝に訪れた際には、乃木家の歴史に触れられる旧乃木邸や、個性的なオブジェのある乃木公園などにも訪れてみては。
ご利用案内・アクセス
開園時間 | 乃木神社開門:6:00~17:00 授与所・祈願受付所:9:00~17:00 宝物殿:9:00~17:00 乃木公園:9:00~16:00 |
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入場料 | 無料 |
電話 | 03-3478-3001 |
住所 | 東京都港区赤坂8-11-27 |
アクセス | 東京メトロ千代田線 乃木坂駅 1番出口より徒歩1分 |
※2021年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトでご確認下さい。
参考元: