撞球室
旧岩崎邸庭園には、洋館と和館の他にもうひとつ、撞球室(どうきゅうしつ)があります。いわゆるビリヤード場です。
アメリカの山小屋風の別荘のデザインであり、洋館と同様にジョサイア・コンドルが設計を手がけた建物です。洋館、和館とはまた違った雰囲気で、ビリヤード場らしいシックで落ち着きのある場所です。
校倉(あぜくら)造り風の壁や、ペッパーミルのような柱のデザインなどは、アメリカの木造建築の特徴です。
撞球室は洋館と地下道でつながれており、庭園には四角い石組みの地下道の通気口があります。地下道は、白いタイルが全面に貼られ、光取りのためのガラスが天井に施されているとのことです。しかし、普段は地下道には入れません。
内装の壁の下部には、洋館のような金唐紙が貼られており、割と高級感のある空間になっています。天井には洋風建築の特徴であるトラス構造(三角に組まれた構造)となっており、全体的に洋風寄りのデザインです。
昭和10年(1935年)より図書館として利用され、現在はビリヤード台は残されていません。どんな高貴なデザインの台だったのか気になるところです。