「高輪ゲートウェイ駅」は日本を代表する新しい観光施設

01.現代建築

JR山手線に、1971年4月20日に開業した西日暮里駅以来、49年ぶりの2020年3月14日に開業した「高輪ゲートウェイ駅」は、これまでに無い前衛的な設備と、快適な環境の駅となっています。山手線で30番目となるこの駅は、田町駅と品川駅との間に位置し、江戸時代には大木戸と呼ばれる関所が置かれた場所になります。

2020年の東京オリンピックに合わせて開業されたのですが、開業された2020年3月は新型コロナウイルスが感染拡大していた時期で、開業時に一時的な盛り上がりは見せたものの、すぐに話題が落ち着きました。

駅舎のデザインは、新国立競技場などを設計した隈研吾氏が手がけ、和をイメージした木質感のある新駅となっています。

今回はそんな高輪ゲートウェイ駅の建築を紹介します。

こんな駅名になった理由

6万件もの駅名公募をしたにも関わらず、実際に選ばれたのは130位の「高輪ゲートウェイ」。下位の名前を選んだ事もありますが、あまりの駅名のダサさや、他の山手線駅との統一感のなさから批判が集まり、9割以上が駅名を変えた方が良いというアンケート結果も出た程です。

私も、本気でこんな駅名で突き進めるつもりなのか、何かの冗談なのではないのかと思い、JR東日本の圧力を感じて恐ろしささえ覚えました。

駅周辺は国際交流の玄関口としてのまちづくりをを計画しており、「グローバルゲートウェイ品川」というコンセプトを掲げ、数棟の超高層ビルや商業施設の再開発が進められています。
そのため、ゲートウェイという言葉を入れたい考えがあり、駅名公募で1位となった「高輪」と組み合わせたのではないかと言われています。

もともとは車両基地があった土地ですが、機関車や寝台列車などの廃止で徐々に使われなくなり、跡地でまちづくりが行われる運びとなりました。新駅はそのまちづくりの一環です。
13ヘクタールもの広さのあるこの地に新しい街を作り、国際交流の玄関口になるべく、東京オリンピックが予定されていた2020年に高輪ゲートウェイ駅は開業しました。

駅名こそ酷いものの、新型コロナ収束後には、駅周辺は国際的で前衛的な街になることを期待しています。

和をイメージした駅舎

駅舎は「和」をイメージしたデザインとなっています。デザインを手がけたのが隈研吾氏であり、新国立競技場やサニーヒルズなどを手がけています。

周辺の街の風景が見えるガラス張りに、白い膜の大屋根で構成されています。大空間な内部に大きく吹き抜けが開いており、2階から電車が到着する様子を見下ろせるようになっています。

高輪ゲートウェイ駅の2階構内

大屋根は折り紙がモチーフになっており、障子のように内部に太陽光を柔らかく取り入れて、ちょうど良い明るさになっています。白い膜は鉄骨と杉の集成材で作られたフレームで支えられており、この杉がより日本の障子を思い起こさせ、和を感じるデザインです。

屋根を支える柱もまた、木で構成された和を感じさせるデザインです。

ホームや2階床も木材が使用されており、木質感が溢れる構内です。

また、駅名表示も和を意識した明朝体フォントとなっています。隈研吾氏の意向によって、駅の和のデザインに合ったフォントを選んだとの事です。ただ、視覚障害者にとっては読みにくいのではという声があるようです。

外観も実に和の雰囲気が溢れるデザインとなっています。

木材は福島県産の杉材を使用しており、木の板を交互に凹凸を付けた大和貼りと呼ばれる技法が用いられ、趣のある壁面デザインです。杉材をふんだんに使用し、斜めに張り出した庇が包み込むように、暖かい空間が作られています。

快適な環境の構内

駅構内は、他の駅にはない吹き抜け構造となっており、開放的で明るい空間となっており、さらに駅の設備も床下に収納しているため、より開放感があります。

ガラス張りにも関わらず、猛暑の日でも構内は暑くなりません。白い膜による大屋根によって熱の進入を抑え、また、風が通るような吹き抜け構造となっているためです。
さらに、屋根の上に設置された散水設備によって水をまき、膜表面の温度を下げるシステムも取り入れています。
真夏の猛暑日に訪れましたが、あまり暑さを感じませんでした。

こちらはトイレの入口部分。木質感ある環境の良い空間です。

また、トイレ内部も外光が取り入れられて明るく清潔感があり、隈研吾氏の意向で植物が置かれているそうです。

最先端の設備

高輪ゲートウェイ駅は試行的に、「BotFriends Vision」や「EMIEW3(エミュースリー)」といった案内や警備などのAIロボットを導入したり、「TOUCH TO GO」といった無人のAI決済店舗を設置しています。

こちらはAI案内ロボットの「BotFriends Vision」。話しかければ、周辺の店舗や乗換案内などをしてくれるようです。

こちらもAI案内ロボットの「EMIEW3(エミュースリー)」。ロボットの目の前のモニターには駅構内図が映し出されており、これによって案内を行っています。

私が訪れた時にちょうど「警備ロボット」が巡回をしていました。すぐ近くには担当者がリモコンで操作しており、防犯のための駅構内画像撮影や、目が不自由な人が使っている杖を検知する機能など、警備員のような異常時への対応が期待されます。

「鉄道テラスビジョン」では、高輪の歴史紹介などの映像が放映されています。大きさは縦5m、横14mと割と大きめのスクリーンとなっています。

その他にも様々な役割をもったAIロボットや最新設備などが揃えられており、訪れた際にはそこに注目してみるのも良いかと思います。

駅は既に開業されているものの、2020年現在では駅周辺は開発が進められており、正式開業は2024年度の予定となっています。「グローバルゲートウェイ品川」のコンセプトのもと超高層の複合施設が作られ、正式開業する頃には多くの観光客で賑わいを見せるのではないかと思われます。

建築概要

設計東日本旅客鉄道
品川新駅設計共同企業体(JR東日本コンサルタンツ・JR東日本建築設計)
日本鉄道電気設計
ライティングプランナーズアソシエーツ(照明デザイン)
隈研吾建築都市設計事務所(デザインアーキテクト)
施工品川新駅(仮称)新設工事共同企業体(大林組、鉄建建設)
敷地面積11,561.35㎡
建築面積6,340.84㎡
延床面積3,969.52㎡
階数地上3階、地下1階
構造鉄骨造
開業2020年3月14日

ご利用案内・アクセス

住所東京都港区港南2-10-145 他
アクセスJR線 高輪ゲートウェイ駅


参考元:

Takanawa Gateway Station — 高輪ゲートウェイ駅 | Architecture | Kengo Kuma and Associates
高輪ゲートウェイ駅 | 新建築.online/株式会社新建築社
「高輪ゲートウェイ駅」はむしろ“今”が面白いワケ 連載:MaaS時代の明日の都市|ビジネス+IT
高輪ゲートウェイ駅開業から半年 利用者数は? AIロボットの腕前は?(梅原淳) – 個人 – Yahoo!ニュース
きょう開業の山手線「高輪ゲートウェイ駅」 注目すべきポイントを一挙紹介 – TRAICY(トライシー)
日刊建設工業新聞 » 高輪ゲートウェイ駅 完成

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