「東京国立博物館平成館」建築の見どころ

上野公園にある、多くの重要文化財が展示された「東京国立博物館」。その中の「平成館」は皇太子ご成婚を記念して、1999年（平成11年）に開館されました。博物館内では昭和に建てられたものが並ぶ中、平成館はその名の通り平成に建てられた近代的なデザインの建築となっています。

1階は考古展示室となっており、縄文・弥生時代から近代までの、土偶や埴輪、石器などの日本の歴史文化の始まりである物が展示されています。2階は企画展専用の展示室となっています。

設計は、建設省関東地方建設局営繕部および安井建築設計事務所。
安井建築設計事務所は、東京国立博物館の本館の改修にも携わっている設計事務所であり、その他にも東京国際クルーズターミナルなどの大規模なプロジェクトを手がけています。

平成館は皇太子ご成婚を記念して建てられただけあり、豪勢で開放感のある格式の高いデザインが施されています。
今回はそんな東京国立博物館の平成館の建築の見どころを紹介します。

近代的なデザインの外観

平成館は上野公園の自然や、昭和以前に建てられた本館や表慶館と調和する建築を目指して建てられました。

平成館の手前には、広大な広場と水場が設置されており、建物のデザインとマッチしています。水場を横に平成館にアプローチする形が、展示鑑賞への期待感を引き出します。

外壁には、ショッピングモールの床などでよく使われるセラミックタイルのPC版となっています。PCとはプレキャストコンクリートの略で、あらかじめ工場で製作したコンクリート部材です。

開口部にはブロンズサッシが使われています。ブロンズは和風住宅向けに作られた色であり、和の要素をサッシに組み込んでいます。
屋根材には、強度が高く、耐熱性、耐食性が高い（錆びにくい）チタンを使用しています。

近代的なデザインでありながら、要所に和のテイストを施したそんな建築です。

平成館の内部は、明るく豪華で開放的な空間となっており、平成の時代らしい建物を目指して作られました。
平成館には、本館から外に出ずに移動が可能ですが、本館から移動すると、以下のような広々とした廊下に出ます。

天井が高く、壁には明るい色の石材が使われ、煌びやかで気品のある空間です。

展示室に続く木製扉も立派です。

こちらは正面入口は入るとすぐに見える大階段です。階段幅を大きく取り、廊下と同じく広大なスケール感のある建築です。
側にはエスカレーターが設置されているので、高齢者や足が不自由な方にも安心です。

来館者がくつろげられるラウンジがありますが、ラウンジにあるテーブルなどの家具も明るく気品のあるデザインになっています。

また、照明もダイアモンドのようなデザインになっているので、より豪華さが増しています。

展示物は、埴輪や土偶などの日本古来の品が展示されています。
収蔵品を安全に展示・保管が出来る建築を目指して、平成館は作られています。

展示品の保存状態が良く、設備面でも優れた建物であることが分かります。

建築好きにも興味深い展示品が多数あります。

平成館は、博物館内の既存の建築を尊重して建てられました。東京国立博物館に訪れた際には、平成館にも足を運んでいただければ、展示品だけでなく、広々とした豪華な空間も楽しむ事が出来ます。

別記事で、東京国立博物館の平成館以外も紹介していますので、是非こちらもご覧下さい。

開館時間	9:30～17:00（入館は16:30まで）
無料観覧日	国際博物館の日（5月18日）※月曜の場合は翌日敬老の日（9月第3月曜日）文化の日（11月3日）
休館日	月曜日（祝日の場合は翌平日に休館）、年末年始その他休館あり。詳細は公式サイトをご覧下さい。
入館料	大人　　　：1,000円大学生　　：500円高学生以下：無料 ※特別展の場合は別料金となります。詳細は公式サイトをご覧下さい。
電話	利用案内や展示・催し物に関するお問い合わせ：050-5541-8600 その他のお問い合わせ：03-3822-1111
住所	東京都台東区上野公園13-9
アクセス	JR線　上野駅　公園口より徒歩10分 JR線　鶯谷駅　南口より徒歩10分東京メトロ銀座線・日比谷線　上野駅　徒歩15分東京メトロ千代田線　根津駅　徒歩15分京成電鉄　京成上野駅　徒歩15分