1964年に開催された東京オリンピックにて、様々な競技の会場となった「駒沢オリンピック公園」。公園内のシンボルである「オリンピック記念塔」は、公園に来たら必ず見ておきたい建造物です。
駒沢オリンピック公園は最初に、1949年に開催された国民体育大会に向けて、ハンドボールコートとホッケー場が作られ、その後、東京オリンピックに向けて陸上競技場、体育館、記念塔などが作られました。
オリンピック記念塔の設計は芦原義信氏。同じ公園内の体育館、中央広場の設計も手がけています。また、代表的な作品には東京都芸術劇場などがあります。
今回はそんなオリンピック記念塔を紹介します。
管制塔としても使われている公園のシンボル
オリンピック記念塔は管制塔でもあり、来場者の交通を管制する目的で作られ、また、塔の内部に電気、電話、給水、放送関連の設備機能も含まれています。
管制塔は中央広場を手前に、公園全体を見渡せるように公園の中心に建っています。
高さ50mあるこの塔は和を意識しており、五重塔などの木造建築を模しています。鉄筋鉄骨コンクリート造でありながら、各階の井桁に組まれた軒のような意匠によって、日本の木造建築らしい見た目になっています。
記念塔の近くには体育館が建っていますが、体育館の屋根は神社仏閣の屋根を思わせる反りがあり、法隆寺のような配置関係となっています。体育館も芦原義信氏が設計しており、まさしく日本古来の建築を意識したのではないかと言われています。
記念塔は池の中に建っており、日本庭園の中にある池を思い起こさせます。
下から見上げると、五重塔を見上げているような迫力があります。井桁に組まれたデザインが、より迫力を増しているのでしょう。
また、塔の前後の壁は黒のタイル張り、左右の壁はコンクリートに白塗りとなっており、眺める方向によって見た目に変化を持たせています。
中央広場の反対側にはこのような螺旋階段があり、さらにその上に登っていく階段が見えます。エレベーターが無いので、高さ50mを全て階段で登っていくのはさぞかし大変だと思いますが、公園全体の風景が徐々に見えてくるので、期待感が高まりそうな気がします。
記念塔がある島までは飛び石のような足場があり、ここに橋が架けられて島まで渡るようになっています。島へ渡るまでは、池に落ちてしまいそうでちょっと怖いですね。。
記念塔足下の池の中には聖火台があり、改めて、ここで東京オリンピックが行われたんだと感じさせられます。
駒沢オリンピック公園のシンボルであり、東京オリンピックのシンボルでもある記念塔。公園に訪れた際には、是非とも鑑賞してみて下さい。
別記事で、駒沢オリンピック公園のオリンピック記念塔以外も紹介していますので、是非こちらもご覧下さい。
建築概要
設計 | 芦原建築設計研究所 |
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施工 | 藤田組 他 |
延床面積 | 1,230㎡ |
高さ | 50m |
階数 | 地上12階、地下1階 |
構造 | 鉄筋鉄骨コンクリート造 |
竣工 | 1964年 |
アクセス
電話 | 03-3421-6431(駒沢オリンピック公園管理所) |
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住所 | 東京都世田谷区駒沢公園1-1 |
アクセス | 東急田園都市線 駒沢大学駅 徒歩15分 ※渋谷・恵比寿からすぐ近くまで、東急バスで移動出来ます。 渋谷駅から東急バス(田園調布行き) 駒沢公園東口 下車 恵比寿駅から東急バス(用賀行き) 駒沢公園 下車 |
参考元:
・駒沢オリンピック公園|公園へ行こう!
・様々な建築構造が集う《駒沢オリンピック公園総合運動場》 | Daily Scenery
・「駒沢体育館・駒沢陸上競技場」 | とんとん・にっき2
・松田力「東京建築さんぽマップ」,エクスナレッジ,2016年1月1日,212P
・芦原建築設計研究所|ASHIHARA Architect & Associates
・【コラム:イソマイの建築楽(ケンチクガク)】世田谷編#9 駒沢公園と芦原義信①駒沢オリンピック公園 記念塔 – futakoloco