「東京国際フォーラム」の建物の構造がすごい【ガラス棟編】

01.現代建築
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東京の主要なコンベンションホールであり、有楽町のシンボルでもある「東京国際フォーラム」。
ホール編では、地上広場と、大容量のホールについて紹介しました。

今回は東京国際フォーラムのメイン施設である、ガラス棟について紹介します。東京国際フォーラムに来たときは、この棟が最もインパクトを感じるかと思います。

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壮大な内観のガラス棟

東京国際フォーラムの敷地を入ると、路線側の方にひときわ大きなガラス張りの建物に目をひかれます。

ガラス棟をホールから見た外観です。一見、超高層ビルのように見えます。

こちらが、東京駅から来ると見えるガラス棟内観。

こちらが、有楽町駅から来ると見えるガラス棟内観です。
どちらから来ても壮大な内観を目の当たりにする事ができ、始めて見る方にとっては圧倒されるかと思います。
一番下から見える、船底をイメージした鉄骨は必見です。

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スロープによって様々な表情が見える

ガラス棟は一階から天井近くまで、スロープだけで上る事が出来ます。スロープを上っていく過程で、ガラス棟を様々な角度から眺める事が出来ます。

スロープの入り口です。東京駅側から来ると、このような入り口があります。ここから、長いガラス棟の旅が始まります。

渡り廊下を下から見た風景。スロープを上がる途中で、横切るように東西を行き来出来ます。

スロープを上っていくと、ガラス棟の様々な表情が見え、西側のスロープにいる間は、内観と地上広場の景色を両方楽しめます。

渡り廊下を上から見るとこんな感じ。鉄骨にガラス張りで作っているので、渡っている途中は、ガラス棟の壮大さをより感じられます。

スロープを上りきると、このような踊り場のような所にたどり着きます。天井がだいぶ近づいてきました。

天井の、船底状のキール鉄骨です。ここまで至近距離で見られると、上ってきた甲斐があったと感じます。

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ガラス棟の構造

これだけの大空間なので、構造の面ではやはり結構思考を凝らしています。

引用:東京国際フォーラムガラス棟の建設 工事記録

こちらがガラス棟を上から見た、屋根平面図。横から見た、屋根立面図。横にぶった切った、断面図です。ガラス棟には、以下のような力が作用しています。

緑線のように、上からは屋根の荷重が加わり、2本の大柱で支えられています。そして、船底状の魚骨のようなキール鉄骨を、メインアーチ(赤線)と、サスペンションロッド(青線)で支えています。
さらに断面図を見ると、2本の大柱は、左の会議棟に支えられています。

実際に構造体を見ると、メインアーチとサスペンションロッドは、上の画像のような感じで組まれています。

横から見た方が、メインアーチとサスペンションロッドが見えやすいですね。

またガラス棟は、中腹にある渡り廊下によって、横からの風圧力や地震力に抵抗しています。

渡り廊下を三角形に渡らせており、左の会議棟に接続しているので、建物にかかる力をうまく左の会議棟に流しています。

こちらが渡り廊下の通路です。スロープを登るのが面倒臭くなったら、ここでショートカット出来ますw
(構造に関しては、Archstructure.netさん、書籍「構造デザインマップ 東京」を参考にしています。)

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壮大ながらも暖かい空間

ガラス棟は壮大なながらも、低層部分の木製ルーバーによって、静寂で暖かい空間が出来ています。

木製ルーバーが設置された曲線の壁と、外の地上広場の緑によって、自然とうまく調和しており、開放的で心地よい場所となっています。

下から見ると、木製ルーバーも壮大だったりします。

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建設概要

設計建築:ラファエルヴィニオリ建築士事務所
構造:構造設計集団
施工大林組、鹿島建設ほか
竣工1996年
敷地面積約27,000㎡
延床面積約145,000㎡
高さ(ガラス棟)約60m
全長(ガラス棟)約207m
最大幅(ガラス棟)約32m
構造鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造
開館日1997年1月10日
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アクセス

住所東京都千代田区丸の内3-5-1
アクセスJR線 有楽町駅 徒歩5分
JR線 東京駅 徒歩10分


参考元:

東京国際フォーラム オフィシャルHP
東京国際フォーラムガラス棟の建設 工事記録
東京国際フォーラム ガラスホール/ Archstructure.net
日本の自然・技術・歴史が美しく調和する、丸の内「東京国際フォーラム」 | MATCHA – 訪日外国人観光客向けWebマガジン
都内最強の究極バブル建築 東京国際フォーラムを探検してみた。 | Heritager.com
建築マップ「東京国際フォーラム」
・ 構造デザインマップ編集委員会「構造デザインマップ東京」,総合資格学院,2014年6月20日,20P

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