下町情緒あふれる木場の街に、商業とオフィスが建ち並ぶ大型複合施設「深川ギャザリア」があり、都市再生事業として、もともと工場だった場所を人の集まる場所へ作り変えられました。
1923年に現在の場所に株式会社フジクラの工場が建設されて木場の街に根付き、1990年に工場跡地の再開発が始まり、都市再生という大きなテーマをかかげ、2000年に深川ギャザリアが誕生しました。
今回はそんな新しい街並みとも言える深川ギャザリアを紹介します。
深川ギャザリアとはどんなところ?

深川ギャザリアの東側のエリアには、プラザ棟やイトーヨーカドーといった商業施設や、タワーS棟・N棟の高層オフィスがあります。
西側のエリアには、フジクラ本社やオフィスW1棟・W2棟・W3棟(W:ウエスト)、フジクラR&Dセンターといったオフィス中心の建物がある他、木場千年の森というビオトープもあります。
ちなみに「深川ギャザリア」という施設名は、GATHER(集まる)・AREA(エリア)・IA(国や地方を表すラテン語由来の接尾語)を組み合わせた造語であり、人が集まるエリアとして名付けられています。
東側エリア
ウェルカムゾーン

木場駅方面の入口はウェルカムゾーンとなっています。タワーN棟の前には階段状の噴水が流れ、賑やかな雰囲気を演出します。


入口を少し進むと芝生があったり、壁面緑化されていたりと、緑が豊富に施されています。
ガーデンコート

ウェルカムゾーンから少し進むと、ガーデンコートが見えてきます。誰もがゆっくり休むことの出来る、憩いのエリアです。

鳥かごのような休憩所。床タイルのデザインが華やかです。また、かごがツタで覆われており木漏れ日が降り注ぎます。


こちらは額縁に見立てて、花が絵画のように飾られています。
ガーデン内を歩き回ると、個性的な演出がなされたものが色々と見つかります。
タワーS棟・N棟


木場駅側からすぐ見える場所に、タワーS棟およびN棟が建っています。高さ98.9mあり、深川ギャザリアの顔とも言える超高層ビルです。

ウェルカムゾーンの他に、S棟とN棟の間にも入口があり、列柱の並ぶ壮大なゲートとなっています。

入口中央にはオブジェがあり、深川ギャザリアへ訪れる人々を迎入れています。

センタープラザ側から見たタワー間の入口です。広大な広場と2つの大きなツインタワーによって、壮大な空間を作り出しています。
プラザ棟

タワーS棟・N棟の向かいにはプラザ棟とイトーヨーカドーがあります。プラザ棟は、レストランや映画館、フィットネスなどが入っています。
こちらはプラザ棟の内観です。中央部は大きな吹抜けに柱が2階まで伸び、明るく広々とした空間になっています。


北プラザ棟あたりの手前に、アザラシやカバたちがいました。ショッピングエリアやガーデンコートのすぐ近くにいるので、親子連れにとっては楽しめられる場所なのではないかと思います。
西側エリア
ウエストスクエア

商業エリアから西の方に進むと、ウエストスクエアという樹木が並んだ憩いの広場があります。フジクラ本社ビルとオフィスW2棟のビルの間に位置しており、サラリーマンの方達が休んでいました。

ウエストスクエアの脇にはペンギンの親子がいました。こういった動物を探してみるのも良いと思います。
フジクラ本社

こちらはフジクラ本社ビル。フジクラの活動は、情報通信、電気エネルギー、輸送、デジタル家電など多岐にわたります。
オフィスW1棟

深川ギャザリアの南部、イトーヨーカドーの隣にオフィスW1棟があります。L字型にガラス張りとなっており、見る方向によって違った表情を見せます。
オフィスW2棟

こちらはオフィスW2棟。手前にはウエストスクエアがあります。

オフィスW2棟の脇は緑豊かな通路となっており、涼しげな空間となっています。

ここにもペンギンがいました。ウエストスクエアにいたペンギンよりも黒光りしています。

梅見門と呼ばれる、板張りの屋根に竹格子が乗った和の雰囲気ただよう門も安置されています。
オフィスW3棟

こちらは深川ギャザリアの西にあるオフィスW3棟。南面・東面はガラス張り、西面・北面は茶色タイルが使われているのが特徴です。上の画像は西側から見た様子です。

オフィスW3棟を北側から見た様子です。茶色タイルが縦ルーバーのように貼られており、隈研吾建築を思い出します。
フジクラR&Dセンター

こちらは深川ギャザリアに南西部にあるフジクラR&Dセンター。てっぺんがヴォールト(かまぼこ型)の屋根になっているのが特徴です。

社員食堂が入っているビルなだけあって、入口には堅苦しさがありません。生垣がふんだんに施されており、柔らかみがあります。
フジクラ木場千年の森

深川ギャザリアの北西部には、フジクラ木場千年の森というビオトープがあります。工場跡地を再開発する際、周辺地域から緑化への要望があったこと、環境汚染への関心が高まったこともあり、このような場所が作られました。

「フジクラ 木場千年の森」という名は、豊かな自然が遥か一千年先の未来まで続いていくように
という願いが込められ名付けられました。

一部、立入禁止の保護区域があり、生物が保護されています。開放区域の部分は、子供たちが自然教育に役立てるための区域となっています。


こちらは管理施設。ここには自然環境再生への取り組みなどの説明が掲示されていました。


池や川などの水場も多く、通路には木漏れ日が注ぎ、動植物が過ごしやすそうな空間となっていました。プラザ棟などでショッピングをした帰りに、フジクラ木場千年の森で自然に触れるのも良いものです。
各棟の建築概要
タワーS棟
設計 | NTTファシリティーズ、日総建 共同企業体 |
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施工 | 安藤建設、鹿島建設 共同企業体 |
敷地面積 | 13,719㎡ |
建築面積 | 2,396㎡ |
延床面積 | 40,093㎡ |
最高高さ | 98.9m |
階数 | 地上21階、地下1階、塔屋2階 |
構造 | 地上:柱・コンクリート充填鋼管構造、梁・鉄骨造 地下:鉄骨鉄筋コンクリート造 |
竣工 | 2003年1月 |
タワーN棟
設計 | NTTファシリティーズ、日総建 共同企業体 |
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施工 | 安藤建設、鹿島建設、鉄建建設 共同企業体 |
敷地面積 | 7,100㎡ |
建築面積 | 1,922㎡ |
延床面積 | 43,093㎡ |
最高高さ | 98.9m |
階数 | 地上21階、地下1階、塔屋2階 |
構造 | 地上:柱・コンクリート充填鋼管構造、梁・鉄骨造 地下:鉄骨鉄筋コンクリート造 |
工期 | 2004年11月1日~2007年1月15日 |
プラザ棟
設計 | NTTファシリティーズ、日総建 共同企業体 |
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施工 | 安藤建設、鹿島建設 共同企業体 |
敷地面積 | 4,530㎡ |
建築面積 | 2,740㎡ |
延床面積 | 12,680㎡ |
階数 | 地上4階、地下1階 |
構造 | 地上:鉄骨造 地下:鉄骨鉄筋コンクリート造 |
竣工 | 2002年9月 |
オフィスW1棟
設計 | NTTファシリティーズ、日総建 共同企業体 |
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施工 | 鹿島建設 |
敷地面積 | 7,247㎡ |
建築面積 | 2,259㎡ |
延床面積 | 17,951㎡ |
階数 | 地上9階、塔屋1階 |
構造 | 柱・コンクリート充填鋼管構造、梁・鉄骨造 |
竣工 | 2002年12月 |
オフィスW2棟
設計 | NTTファシリティーズ、日総建 共同企業体 |
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施工 | 安藤建設、鹿島建設 共同企業体 |
敷地面積 | 8,075.60㎡ |
建築面積 | 4,133.77㎡ |
延床面積 | 37,505.86㎡ |
高さ | 最高:53.25m、軒高:42.85m |
階数 | 地上10階、地下1階 |
構造 | 地上:柱・コンクリート充填鋼管構造、梁・鉄骨造 地下:鉄骨鉄筋コンクリート造 |
工期 | 2008年6月~2010年3月 |
オフィスW3棟
設計 | NTTファシリティーズ、日総建 共同企業体 |
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施工 | 安藤建設、鹿島建設 共同企業体 |
敷地面積 | 6,999.11㎡ |
建築面積 | 2,212.83㎡ |
延床面積 | 21,695.76㎡ |
高さ | 53.39m |
階数 | 地上10階、塔屋2階 |
構造 | 柱・コンクリート充填鋼管構造、梁・鉄骨造 |
工期 | 2008年12月10日~2010年3月26日 |
フジクラR&Dセンター
敷地面積 | 2,661㎡ |
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建築面積 | 1,809㎡ |
延床面積 | 8,067㎡ |
階数 | 地上7階 |
構造 | 鉄骨鉄筋コンクリート造 |
アクセス
住所 | 東京都江東区木場1-5 |
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アクセス | 東京メトロ東西線 木場駅 徒歩5分 |
参考元:
・株式会社フジクラ
・人とモノが集う、木場エリア | 株式会社フジクラ
・深川ギャザリア プラザ棟 | 実績紹介 | 日総建
・㈱フジクラR&Dセンター | 実績紹介 | 日総建
・深川ギャザリア | 建物記録