世田谷区を代表するオフィスエリアの「世田谷ビジネススクエア」は、世田谷区用賀の住宅街の中にあり、周囲に開かれた一般の人々でも訪れやすい環境であるため、地域の人々が集まる憩いの場として機能しています。
用賀駅に直結しており、通勤する人と地元住民ともに駅が利用しやすく、人がうまく流れるよう考慮された場所になっています。
ビジネススクエアは、シンボリックな超高層ビル1棟と、中層ビル4棟、低層ビル3棟の合計8つの建物からなり、周囲には広場がたくさん設けられています。
今回はそんな世田谷ビジネススクエアの建築を紹介します。
用賀駅と直結しているのでアクセスに便利
世田谷ビジネススクエアは東急田園都市線の用賀駅に直結しているため、雨に濡れずにオフィスまで通勤出来ます。オフィスまでずっと地下で行けるのですが、途中に地上に出るための半円形の階段がある出口があります。これは直径40mのステーションアリーナと呼ばれる円形階段で、ローマ時代のスペイン階段をイメージして作られています。
内部からは円形階段に出たときに開放感を与え、外側からはどの方向から来てもスムーズに用賀駅の入口に向かえられるようになっています。
円形階段の上はこのような円盤の屋根があり、遠くからでも入口の場所が分かりやすいです。
オフィスビルの周囲は広場や商業施設が豊富
地下を進んで行くと店舗が並び、その中にウォーターストーンという落差8mの滝が見えてきます。
カフェに面した位置にあり、水の落ちる音が癒やしを与えます。
こちらは地上の広場。各樹木が円形レンガで装飾されています。この広場を抜けると、世田谷美術館へと続く用賀ブロムナードと呼ばれる遊歩道に出ます。
地下1階から地上2階は商業施設をはじめ、郵便局や金融機関があり、一般の人々が利用しやすい感じになっています。商業施設は、近隣の商店街に影響を与えないよう衣料や用品店は出店していないそうで、飲食のチェーン店がほとんどです。これらはオフィスの人々だけでなく、近隣の人々にも利用されています。
商業の低層施設は全面レンガ張りであり、オシャレで落ち着いた雰囲気になっています。
こちらはくすのき公園。公園の奥には、地面が一部跳ね上がったように見えるレンガ張りの床が面白いです。
シンボリックな超高層タワー
世田谷ビジネススクエアの中でも一際目立っている超高層タワーは高さ120mあり、ビジネススクエア内および用賀の住宅街の中にシンボルとして建っています。
外壁はガラスカーテンウォールとアルミパネルを用いており、角を階段状にすることで威圧感が軽減されています。低層部は、花崗岩打込PC板などで仕上げています。PC板とは、プレストレストコンクリートという圧縮力をあらかじめコンクリートに与えて引張力に対して強くしたものです。そのコンクリートに花崗岩の板を貼り付けている形です。
ちなみに、タワーのてっぺんに一部装飾が付けられており、首都高速3号渋谷線から見るとてっぺんの装飾が良く見えます。
タワーの内部は、低層部分は吹抜けの開放空間となっており、高層部のオフィスフロアは無柱空間の開放的なフロアで眺望を良くしています。
超高層タワーに隣接して、ガーデンコートと呼ばれる水面のある空間があります。水面には周囲の木々や建物が映り込み、水面の両側には座る場所があるので、憩いの場として機能しています。
タワー以外にもヒルズと呼ばれるオフィスあり
オフィスは超高層タワーの他にも、中層のヒルズと呼ばれるオフィスが4つ建っています。
ヒルズは超高層タワーとデッキで繋がれており、雨に濡れずに各ヒルズへ移動することが出来ます。
こちらはヒルズ1。外壁は超高層タワーと同じく、ガラスカーテンウォールやアルミパネルで仕上げています。
こちらはヒルズ2。10~23坪の小規模なオフィスが用意されており、SOHOにふさわしいオフィスになっています。レンガ張りとアルミパネルが交互に階段状に並んだ装飾性のあるビルです。
こちらはヒルズ3と4。階段状にセットバックしているため、各フロアに広いテラスが出来ています。
ヒルズ3と4の手前には用賀区民集会所と、コミュニティテラスと呼ばれる緑の多いスペースがあります。
ヒルズ3と4のエントランスです。ヒルズ3と4は外から見るとひとつの建物に見えますが、エントランスを見ると2つに分かれていることが分かります。
こちらはヒルズ3と4のエントランス手前にあるドライガーデンと呼ばれるエリアです。人があまり通らないせいか、静けさのある場所です。
世田谷ビジネススクエアには、あらゆる場所に緑が施されており商業施設もあるので、一般の人も立ち寄りやすい所であることがお分かりいただけたかと思います。用賀に訪れた際には、ぜひ世田谷ビジネススクエアにも訪れてみては。
建築概要
設計 | 設計監理:東急設計コンサルタント デザインアーキテクト:アーキテクトファイブ |
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施工 | 東急建設 |
敷地面積 | 21,315.68㎡ |
建築面積 | 9,258.34㎡ |
延床面積 | 94,373.72㎡ |
最高高さ | 120m |
階数 | 地上28階、地下2階(タワー) |
構造 | 鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造 |
竣工 | 1993年9月30日 |
アクセス
電話 | 03-5717-2100 |
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住所 | 東京都世田谷区用賀4-10-1(タワー) |
アクセス | 東急田園都市線 用賀駅 直結 |
参考元:
・世田谷ビジネススクエア 公式サイト
・世田谷ビジネススクエアタワー | 超高層ビル部
・世田谷ビジネススクエア、快適なコミュニティ空間 – 日本食糧新聞電子版