解体予定の「Bunkamura」その建築の魅力

01.現代建築

渋谷にある狭い敷地に、美術館や劇場、映画館やレストランなどが収められた複合施設「Bunkamura」は魅力的な内装となっており、訪れた人を癒やし、魅了する建築となっています。

デザインはフランス人建築家・ジャン・ミシェル・ヴィルモット。ルーブル美術館やオルセー美術館(改装)などを手がける世界的建築家です。建築設計は、石本建築事務所が担当しています。

隣接する東急百貨店本店が2023年春以降に解体することに伴い、Bunkamuraも併せて解体予定とのことで、その前に一見しておきたいと思い訪れました。

今回はそんなBunkamuraの建築を紹介します。

どんな施設があるのか

Bunkamuraは様々な機能が入った複合施設ですが、主にどんな施設があるのかを紹介します。

Bunkamura館内マップ

フロアマップを見ていただくと、L字型の建物の中止にスパイン広場という吹抜けのある空間があり、このスパイン広場を中心に様々な施設にアクセスする形になります。

ザ・ミュージアム

Bunkamuraザ・ミュージアム

地下1階にあるザ・ミュージアムは展示室となっており、近代の美術品を中心に展示されています。

床面積837㎡天井高4mの無柱の広々とした展示室であり、壁面パネルは可動式となっているため、展示内容によって自由に構成が出来るようになっています。

シアターコクーン

Bunkamuraシアターコクーン

1階にあるシアターコクーンは舞台劇場となっており、演劇やコンサートなどが行われます。

客席数が747席ありながら、舞台から1階最後尾までの距離が24mというコンパクトな劇場となっています。3階まであるサイドバルコニーから舞台までの距離も短く、舞台と観客との一体感が強い劇場です。

舞台と客席の一部が可動式となっているため、舞台内容によって自由に構成が出来るようになっています。

オーチャードホール

Bunkamuraオーチャードホール

3階にあるオーチャードホールは、コンサートやオペラなどが行われる音楽ホールです。

客席数2150席、天井高約20mシューボックス型ホールであり、国内最大規模となっています。両側の垂直な壁と平らな天井によって、音が繰り返し反射することで、より音楽の世界観に溶け込めるような音を作り出します。シューボックス型とは、長方形の靴箱型をしている音響に優れた空間です。

ステージは三重構造の可動式音響シェルターとなっており、パフォーマンス内容によって自由に構成が出来るようになっています。

ル・シネマ

Bunkamuraル・シネマ

6階にあるル・シネマは映画館であり、Bunkamura内には2つ(ル・シネマ1、ル・シネマ2)入っています。

最新のデジタル映写システムが完備されたミニシアターとなっています。

外観

Bunkamura正面(南口)エントランス

正面(南口)エントランスは、入口の両側に円柱のような形をした曲線壁を、シンメトリーに配置したデザインが特徴です。シンメトリーなデザインはこの正面入口だけでなく、内観の吹抜けについてもシンメトリーな空間になっています。(内観については後術。)

Bunkamura正面(南口)エントランス

緩やかな階段を降りていく入口は、Bunkamuraの世界観に徐々に入っていくような感覚になります。

Bunkamura西側外観

こちらは西側から見た様子。正面入口もそうですが、平面計画に円形を所々に取り入れているので、柔らかい感じの外観となっています。

Bunkamura松濤(北口)エントランス

こちらは松濤(北口)エントランス。ここは円柱形を横にしてデザインされており、柔らかさや入りやすさがあります。ちなみに、正面エントランスは1階なのですが、松濤エントランスは3階になっているので、渋谷の坂勾配の大きさが感じられます。

内観

Bunkamura内観

内観は、石材や金属などの素材が輝き、美しさのある内装となっています。吹抜けからの光や、絶妙な光加減の照明が、魅力的な空間を作り出しています。

Bunkamura内観

柱にはオシャレにデザインされた照明があり、訪れた者を楽しませてくれます。

Bunkamura内部吹抜け
Bunkamura内部吹抜け

建物中央部の吹抜けは、地下1階から一番上まで空間スパインを設けおり、屋根はありません。スパイン(Spine)とは英語で背骨という意味であり、このBunkamuraの建築の重要な部分となります。

周辺の展示室や劇場などの各施設からすぐにアプローチできる位置にあり、外気の心地よさが感じられます。吹抜けの形は、円柱形のエレベーターシャフトや、半円型に引っ込んだバルコニーが、堅苦しさのない空間を作り出し、シンメトリーな形となっています。

Bunkamura内部吹抜け

吹抜けの一番下は、レストラン「ドゥ マゴ パリ」のテラス席となっており、水面やオブジェ、観葉植物がたくさん置かれて、癒やしの空間です。

Bunkamura内部吹抜け

渋谷の中心部の近くにあるとは思えないような、静けさのある空間です。

Bunkamura内観
Bunkamura内観

館内は、黒い艶のある石床に、煌びやかなタイルが使われた壁、そしてオブジェや照明などが綺麗な空間を作り出しています。

Bunkamura内観

各素材の特色を活かして、時間の経過とともに魅力が増すよう作られたようです。芸術文化の施設に相応しい、魅力的なデザインが施された建築です。

Bunkamura内観

解体予定のBunkamura

Bunkamuraと隣接する東急百貨店本店が2023年春以降に建物解体する予定であり、それに伴ってBunkamuraも大規模改修が行われる予定です。百貨店とBunkamuraが一体となった開発計画になります。

Bunkamura&東急百貨店外観

Bunkamuraは2023年4月より長期休館となり、魅力ある建築なだけに名残惜しいですね。

開発後のBunkamuraがどんな様相になるのかが気になる所ですが、解体前に一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

建築概要

設計石本建築事務所、東急設計コンサルタント、MIDI総合設計研究所、ヴィルモット・ジャポン JV
施工東急建設
延床面積31,994㎡
階数地上7階、地下2階
構造鉄骨鉄筋コンクリート造
竣工1989年6月

アクセス

電話03-3477-9111
住所東京都渋谷区道玄坂2-24-1
アクセス各線 渋谷駅 徒歩7分


参考元:

ザ・ミュージアム | Bunkamura
渋谷 東急百貨店本店、建て替えでBunkamuraと一体化 – Impress Watch
Bunkamura | 石本建築事務所
ヴィルモットデザイン|UN éTé EN FÊTE アンネテ・オン・フェット Bunkamura 2014

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