京都の観光地でおなじみの「清水寺」は、音羽山の断崖に建つ本堂が有名です。
その本堂にある清水の舞台の迫力は人々を魅力し、いつでも多くの観光客が訪れています。
ことわざでよく聞く「清水の舞台から飛び降りるつもりになって」とあるように、本当に飛び降りた人はいるのだろうか。
そんな話も含めて、清水寺の建築についてお話します。
ちなみに私が清水寺に訪れた時は、清水の舞台がある本堂が工事中でしたが、内部には入れました。(本堂外観が見られなくて残念・・・)
しかしながら、工事をするときの足場はすべて竹で組んでおり、清水寺本堂と色を合わせて茶色のメッシュシートで覆い、周辺の景観を壊さないようにしています。
清水寺といえば本堂の清水の舞台
清水寺は度重なる戦で何度も火災により焼失していました。現在建っている本堂は寛永10年(1633年)に徳川家光により再建されたものです。
その本堂の目玉である「清水の舞台」は、断崖から前にせり出した「懸造(かけづくり)」と言われる構造となっています。
139本ものケヤキの柱と貫によって組まれており、舞台までの高さは約13m。4階建てビル程の高さがあり、下の写真のように京都の風景が一望できます。
舞台の広さは190㎡あり、能、狂言、歌舞伎などの伝統芸能の奉納に使われています。清水の舞台で見る伝統芸能は、より優美で迫力があるかと思います。
本堂自体は、建物の4方向に傾斜する屋根をもつ「寄棟造り(よせむねづくり)」、檜の皮を使って屋根を葺いた「檜皮葺(ひわだぶき)」、大部屋の正面と東西を廊下で囲んだ「寝殿造り」が特徴であり、釘を一本も使ってないのですが、日本古来の伝統工法により丈夫に作られています。
鹿島建設にて、地震によってどの程度の被害を受けるかを解析モデルによって評価したところ、気になる解析結果は、倒壊する可能性が低いという結果が出たそうです。昔の人の木造技術は高いですね。
死ぬつもりも無いのに飛び降りていた
思い切った決断をする意味で「清水の舞台から飛び降りる」ということわざを誰もが聞いたことあるかと思います。
実際、舞台から飛び降りた人がいたそうで、記録を残し始める元禄七年(1695年)から明治5年(1872)まで、実に235人もの人間が実行したそうです。(引き留め、未遂を含む)
これは自殺行為というわけではなく、観音様への命をかけた祈願であり、観音様が見守ってくれているので命が助かる。たとえ助からなくとも極楽浄土へ行ける。といった言い伝えが広まり、舞台から飛び降りる人が続出しました。
高さ約13m、4階建てビル程の高さはありますから、普通は落ちたらひとたまりもありません。
しかし助かる確率は約85%と驚異的な生存率をたたき出していました。これはやはり観音様が見守ってくれていたのか。。
ただ舞台の下が草木で生い茂っており、そのおかげもあるかと思います。
しかし実際に死人も出ているので、明治5年(1872)に京都府が飛び降り禁止令を発令しました。
現在の日本人は、個人差はあれど昔ほど神への信仰心が強くないので、祈願と言えども飛び降りようと思う人は滅多にいないでしょう。
清水寺に行ったなら、二年坂・三年坂にも足を運ぼう
清水寺への最古の参道として、二年坂・三年坂とよばれる情緒あふれる石畳の坂道があり、多くの京都らしい和菓子屋や和雑貨、土産物屋、食事処が立ち並んでいます。この古き良き美しい風景は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
こちらは二年坂であり、瓦屋根に板張りと土壁を持つ家が軒を連ね、ここに来ると、まさに京都に来た!といった実感が味わえるかと思います。
二年坂は二寧坂ともいわれ、三年坂は産寧坂とも言われています。
産寧坂という名は、清水寺の子安塔の安産信仰から来ているとの事。また二寧坂の方はもともと無名の坂だったのですが、産寧坂へと通じる坂道であることから、二寧坂とよばれるようになったとの事です。
二年坂では転ぶと2年で亡くなってしまう。三年坂の方では転ぶと3年で亡くなってしまう。といった言い伝えがあります。
これは、石段の坂道は雨で濡れると石畳が滑りやすくなるため、注意喚起のために大げさに伝わったものとされています。
場所によっては結構急な坂になっている所もあるので、やはり注意が必要ということですね。
二年坂には街並みの風景と合わせたスタバがあり、古民家をカフェとして利用しており。これまでにない情緒あふれるスタバとなっています。
スタバファンの方は一度行ってみる価値ありです。
京都の観光に、清水寺本堂の清水の舞台は欠かせません。
実際に舞台から下を見下ろすと、それなりに高さがあるので、とてもじゃないが飛び降りる事は出来ないです。
昔の人は強い意志を持っていたんだなと感じさせられます。
ご利用案内・アクセス
拝観時間 | 6:00~18:00 ※8月~9月は、6:00~18:30 |
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休館日 | 無休 |
料金 | <一部施設(本堂・舞台)> 大人 :400円 大・高校生:400円 中・小学生:200円 ※団体割引なし。障害者予約無料。 |
見学所要時間 | 約40分 |
電話 | 075-551-1234 |
住所 | 京都府京都市東山区清水1-294 |
アクセス | 市バス(100・206系統) 五条坂 徒歩10分 市バス(207系統) 清水道 徒歩10分 京阪バス(83・85・87・88系統等) 清水道 徒歩10分 京阪バス(83・85・87・88系統等) 五条坂 徒歩10分 |
※2017年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトでご確認下さい。
参考元:
・音羽山 清水寺
・京都おもしろスポット
・国宝:清水寺本堂の東側立面 : 日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)
・二年坂・三年坂 | 祇園商店街振興組合
・国内旅行・観光の総合情報サイト- MAR-KER
・京都の不思議1
・知ってた?清水寺を4倍楽しむための裏話&スポット! | 京都ecoトリップ